「嗅覚障害=新型コロナ」は間違い……様々な原因に目を向けて

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東京都医師会代議員会副議長で「きくの耳鼻咽喉科クリニック」院長の市川菊乃氏が2月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。嗅覚障害の原因について解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

新行市佳アナウンサー)今回は嗅覚障害について伺いたいと思っているのですが、いまのご時世、嗅覚障害と聞くと、新型コロナウイルスをご想像される方もいらっしゃると思うのですが、嗅覚障害と言っても、さまざまな原因があるのですよね。

市川)そうですね。コロナで注目を受ける前は、匂いがわからないと感じる方は女性の方が多かったのですが、原因のなかには、お鼻の匂いを感じるところに空気が行かず感じないというものと、そこは感じているのだけれども神経の方がだめな場合と、大まかに分けると2つの種類に分けられます。いま注目を浴びているコロナというのは、おそらく後者の神経の方で、インフルエンザなどで匂いがわからなくなるのと同じような種類だと私たちは考えています。匂いがわからないからといって、すぐコロナとは思わずに花粉症などのアレルギーや副鼻腔炎がないかということを疑って、その可能性を除外してはいけないです。もちろん、コロナであればほかにも症状はあるので、匂いがわからないからといってすぐにコロナだとは思ってほしくないですね。まずは、ちゃんと治療しなければならないということを踏まえて、耳鼻科に相談していただきたいと思います。

新行)まずは、自分の鼻の状態を把握することもすごく大切なのですね。

市川)そうですね。お鼻の症状って、くしゃみだとか、鼻水だとか、青っ鼻とよく言いますが、色がついたものが出てきたり、血が出てきたり、鼻が詰まっているとか、そういったことも全部合わせて、結果的に匂いがわからないということがほとんどなのです。いま、耳鼻科医のなかではコロナが注目されていますので、もちろん頭のなかではコロナも疑いながら患者さんを診ていますが、コロナ以外のほかのものが全部ないかどうかというのを診ていって、最後ですよね、「コロナかもしれない」と思うのは。もちろん、コロナであればほかに発熱だとかそういうものがありますから、嗅覚障害以外の症状でも判断していくので、匂いがわからないけれど元気である場合は、ほかの原因があるという確率が高いということは思ってほしいです。

「きくの耳鼻咽喉科クリニック」院長・市川菊乃氏、新行市佳アナウンサー

新行)先程の原因のお話で、センサーの方なのかそれとも神経の方なのかというお話がありましたけれども、まず、そのセンサーの方が少し鈍くなっている場合というのは、治療はどうなっていくのでしょうか?

市川)センサーの部分が鈍いという場合、炎症があるということになり、例えば細菌感染やアレルギー性鼻炎によって粘膜が赤くなってしまうなど、そういったことで悪くなっています。ですので、抗アレルギー剤でアレルギーを抑え、細菌感染を起こしている場合は抗生物質。治りは悪く、そういった症状の度合い重症度によっても期間はかかりますけれども、センサーの部分の炎症を取るといったことが治療ですね。

新行)神経の方が鈍くなっている場合でいうと、どうなりますか?

市川)炎症が長ければ長いほど、神経のほうにも炎症によるダメージがいきますので、副鼻腔炎も、ずっと長い間放置しておいたら、神経の方の匂いが鈍くなることもあります。ですので、症状が出たときには、内科などもそうでしょうけれども、早期発見・早期治療というのはお鼻も同じです。

新行)放っておくっていうのは良くないということですね。

市川)そうですね。お鼻が詰まっていても息できるので死ぬことはないわけですが、それで軽く考えてしまうのは良くないです。いまはコロナのことで嗅覚障害時も注目を浴びてしまったので、1対1対応のように、「匂いがわからない=コロナ」と思ってしまう風潮がすごく残念ですね。いまは嗅覚障害だけがすごくスポットライトを浴びてしまっていますが、ほかの症状と合わせて考えないと、コロナを疑えないということですよね。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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