コロナ第2波、第3波と次第に医療現場の負荷が大きくなっている 現場医師が語る

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東京都医師会理事で「河北総合病院」理事長補佐 心臓血管外科医の新井悟氏が3月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスへの対応が始まった当初から現在までの感染経路の変化と、医療現場での対応について解説した。

コロナ第2波、第3波と次第に医療現場の負荷が大きくなっている 現場医師が語る

「医療従事者の皆様ありがとう」と感謝を伝える広告=2020年4月29日午前、神奈川県横浜市西区 写真提供:産経新聞社

飯田浩司アナウンサー)昨年の4月、緊急事態宣言も出て第1波というものがやってきたという頃、病院ではどういった状況でしたか?

新井)新型コロナウイルス感染症における対応の最初の方針というのは、感染した患者さんの症状があってもなくても全員入院というものでしたので、うちの病院でもそういう対応をしていました。うちの病院に入院されていたのは、無症状の方から重くても中等症ぐらいの方で、治療としてはそれほど大変な治療をすることはなく、静かに隔離しているような状態でした。ただ、やはり職員にうつってはいけないので、院内感染の防止には非常に気を遣って対応していたという状況です。

飯田)その後、10月の終わり頃に国の方針が変わり、リスクのあまりない方、あるいは若い方で軽症の場合は、入院はしないという形になりましたね。

新井)そうですね。ホテルに宿泊していただくか、あるいは自宅で待機という形に方針が変わりましたので、入院するのは中等症以上の症状が思い方や、リスクが高い高齢者の方になりました。

飯田)その方針が変わったところで第3波がやってくると、やはり様相が変わりましたでしょうか?

新井)第2波と比べて、高齢者の方がかなり増えてきました。世の中の感染の広がり方というのは、最初は夜の街と言われていましたが、食事や会議の場など市中感染で広がるようになり、その後家庭内に感染が広がります。そして医療関係の方とかそれから介護関係の方にうつり、最終的な行き着くところは、高齢者施設や病院などです。第3波では、高齢者施設や病院に、どんどん感染が拡大していました。そういった様相でしたね。

コロナ第2波、第3波と次第に医療現場の負荷が大きくなっている 現場医師が語る

新井悟氏、飯田浩司アナウンサー

飯田)そうなると、河北総合病院で診る患者さんたちもリスクが高くなると思いますし、さらにご高齢の方が多いとなると、現場にかかる負担は、より大きくなるのでしょうか?

新井)そうですね。元々いろいろな病気を持っている方、それからある程度ご高齢ですと認知症の方もいらっしゃって、ずっとマスクをしていることが難しい場合もあります。また、中には寝たきりの方もいらっしゃいます。透析患者の方は一週間に何度か透析をしなければならないなど、そういったコロナ以外の治療も必要になってきますので人手がかかります。

飯田)人手がかかる上に、当然感染を防ぐための防護策をしてケアをしなければならないので、体にかかる負担もとても大きくなってきますよね。

新井)個人防護具を着て患者さんのケアをするわけですから、それを着たり脱いだりする際にも非常に気をつけなければならない。そうしますと、1人の患者さんをケアするために、2人のナースが必要になります。そうすると通常の倍の人員が必要になるということになりますので、そういった意味でも大変でした。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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