ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月15日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。政府は3月21日に緊急事態宣言を解除する方向であるというニュースについて解説した。
政府、3月21日で緊急事態宣言解除へ
3月13日の産経新聞によると、政府は首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言について、延長後の期限通り、21日までで解除する方向である。再延長の理由であった病床使用率などが改善傾向にあるため、15日以降の感染状況を見極めた上で、18日にもコロナ対策本部を開いて決定する。
飯田)病床使用率は改善傾向、新規感染者数は下げ止まり、横ばいから微増ということになっています。産経新聞がまずは速報で報じていて、他はまだ追いかけていないという状況ですが、須田さんはこれをどうご覧になりますか?
須田)まだ最終的に確定してはいないのだと思いますが、これ以上続けていても効果はないとすれば、経済を考えて行かなければいけないということでしょうね。病床使用率という点で言えば、再延長を解除する基準として、小池知事が「20%を下回ること」と言い、「20%」という数字が突然出て来ました。それにどういう根拠があるのかわからないなかで再延長が決まってしまった。以前も申し上げたように、再延長が決まった基準が非常に不明確ななかでは、解除の根拠付けというのも難しいと思います。
世論の反応を見ての判断か
須田)その一方で、一部マスコミの世論調査によると、「まだ延長するべきだ」という回答は50%を超えています。その辺りの国民世論の反応も見極めているのではないでしょうか。ある意味で産経新聞が観測気球を上げて、その上で世論の反応を見極めるのだと思います。
飯田)なるほど。
重症者向けベッド数が増え、重症者の数が減った~下りの医療体制へのバックアップ
須田)病床使用率全体の部分ではなくて、「重症者」と言われる集中治療室に入っている人……人工呼吸器またはECMOを装着している人が、1月の段階で120人弱のときに緊急事態宣言が発出されました。これに対して、東京都の重症者向けベッド数は250床だったので、50%前後ということだったのですが、このベッド数がいつの間にか330床に増えているのですね。ネガティブな表現をするつもりはなく、頑張ったのでしょう。「重症者向けベッド数が増え、それに対して重症者の数が減った」というところもポイントとしてあるのではないかと思います。
飯田)「回復して来た人たちが、急性期病床をそのまま埋め続けている」という問題が言われています。「下りの医療体制」などとも言われていますが、回復リハビリの方に転院できればもっと楽になるというところが、あまり議論されていませんよね。病床を増やすというところばかりが議論されていますが、そうやってベッドを空ける、またはそこにお金を付けるというところも、しっかりやるべきだと思います。
須田)政府サイドも、その辺りに強い問題意識を持っています。しかし、それについてやるためには、民間病院の協力体制というのが必要だと思います。それを民間病院が受け入れるにあたっては、「資金的なバックアップ体制をどう敷いて行くのか」というところがポイントになると思います。
アンジェスによる新型コロナウイルスワクチンの開発が進む
須田)話は変わりますが、マザーズに上場している「アンジェス」というバイオ開発の会社がワクチン開発に取り組んでいて、10日に「第2/3相臨床試験の接種を終えた」ということを発表しました。これは有望なワクチン開発に動いていて、例えばタカラバイオや塩野義製薬やダイセルなどの治験が完了して、ワクチンが完成したとなれば、量産体制へという準備に入ることができるのです。
飯田)国産ワクチン。
須田)国産ワクチン、一時は裏の方で特別な思惑が働いたのか、いろいろとネガティブな情報が出て来て評判が悪かったのだけれど、順調に動いているのかなと思います。そうすると、夏以降の段階でいよいよ国産ワクチンの登場となります。一方で、ファイザー製のワクチンが、6月までに1億回分到着すると河野大臣が正式に認めました。ワクチンの流通も増えて来て、それも有望かなと思います。
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