【ライター望月の駅弁膝栗毛】
2021年春からE257系電車に統一された東京~伊豆急下田・修善寺間の特急「踊り子」。
熱海で分割・併合して、三島経由で伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺を発着する列車も、窓側の座席に電源コンセントが設けられた全車指定席の列車となりました。
伊豆の温泉への足がより快適になるのは、とてもありがたいこと。
春色の風に誘われて、温泉で日々の疲れをゆったりと癒したいものですね。
三島から「踊り子」に乗り込むなら、買い求めたいのが、沼津・三島の「桃中軒」の駅弁。
桃中軒は、明治24(1891)年4月の創業ですので、間もなく130周年を迎えます。
130周年のこの春も3月1日から4月30日までの予定で、恒例の「港あじ鮨(春限定)」(1000円)が販売されており、パッケージにも「春限定」シールが貼られています。
春限定駅弁を手にすると、気持ちがちょっぴり晴れやかになりますよね!
【おしながき】
・にぎわい鯵鮨(わさび葉)
・ぬまづ鯵鮨(にぎり)
・鯵わい太巻き
・山葵
・ガリ
パッケージを開けると、桜の葉の香りが、辺りにフワっと広がります。
通常の「港あじ鮨」ではしその葉で巻かれている「ぬまづ鯵鮨(にぎり)」が、桜の葉で巻かれているため、この香りが楽しめるというわけです。
桜餅等に使われる全国の桜の葉の多くは、沼津・三島が玄関口となる伊豆の松崎が産地ですので、このバックボーンを知っていると、より美味しくいただくことができますね。
桜の花が咲き、場所によっては、菜の花などとの共演も見られる春の鉄道沿線。
桜は毎年咲いても、枝ぶりは毎年変わりますし、車両の世代交代も進んでいきますので、じつは「鉄道と花のある景色」は、その年“限定”の風景。
日常の暮らしや普段の移動のなかから、「いまだから楽しめるもの」を探して歩いてみるのも、1つの旅のテーマとなりそうですね。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/