東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が3月25日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルス第4波の可能性について解説した。
飯田浩司アナウンサー)第3波で、ハンマーの時期からダンスの時期に移行したような雰囲気ですが、第4波の可能性はありますか?
猪口)我々としては高い確率で「ある」と考えて、準備をしておく必要があると思っています。
飯田)それは、変異株とは関係がありますか?
猪口)1つは、ダンスになったことによる感染者数が、あまり減らなかったということです。いまはPCR検査など早期探知する方法が出て来ているため、第1波が収まったときのように1桁台くらいになっていれば、感染者がたくさんいそうな地域に検査を集中させて、拡がらないようにすることもできます。しかし、現在の3桁のような数字だと、戦略的な方法をとることがなかなか難しいのです。そのため、変異株の問題と差ができませんでした。これらの観点から、残念ながら第4波は、ある程度の確率で来ると考えなければいけません。
飯田)どのぐらいの規模感で考えたらいいですか?
猪口)言いづらいのですが、変異株の感染力が1.7倍ということを考えると、感染者数の増加は第3波のときよりも早いです。急激に増加する可能性があるということと、変異株の重症化率が60%増というデータから考えると、入院する患者さんや重篤になってしまう患者さんも、かなり増えると思います。
新行市佳アナウンサー)第4波を小さくするためには、どういった対策がありますか?
猪口)この病気は人から人にうつるのだという、大原則に戻っていただきたいです。「あれをやらなければいいのだろう」ということではなく……例えば会食をしなければいいのだろう、集まらなければいいのだろうということではありません。1つ1つの行動を制限したいと思っているわけではないのです。うつらないようにしていただければいいと思います。それが最大の防御です。
飯田)ワクチン接種がすでに始まっていますが、どこまで決め手になるのでしょうか?
猪口)ワクチンが流行を抑える程度まで行き渡るのは、おそらく5月後半辺りになると思います。そうなると、ワクチンで第4波を抑えることは、おそらくできません。第5波に対してはできる可能性があると思うのですが、第4波を抑えるためにワクチンに期待するのは難しそうです。そう考えて我々は行動しなくてはいけません。
飯田)危機管理の部分で、そうなることを想定して備えなければならないということですね。
猪口)そういうことです。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます