日本ハッカー協会代表理事・杉浦隆幸~身代金を要求して来る「ランサムウェア」の被害に遭わないためには

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に一般社団法人・日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸が出演。最近流行しているサイバー犯罪の手口について語った。

杉浦隆幸

黒木)今週のゲストは一般社団法人・日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸さんです。

杉浦)よろしくお願いします。

黒木)世界のサイバー犯罪について伺いたいのですが、いろいろな集団があるのですよね?

杉浦)サイバー犯罪のなかで最近流行っているのは、「ランサムウェア」というソフトを使ったものです。このソフトはパソコンのなかのファイルを勝手に暗号化するのです。これで何が起こるのかと言いますと、システムが使えなくなり、暗号化を戻すには身代金を払う必要があります。

黒木)ええ!

杉浦)お金を払うと、暗号を解読する鍵をくれるのですね。これは世界中で問題になっています。これでシステムが止まったことによって、そのシステムが病院のシステムだったために、救急搬送ができなくて、亡くなった方もいらっしゃいます。

黒木)それは深刻ですね。

杉浦)身代金として、何億円という規模の金額を要求して来ます。当然、暗号化するだけではなく、情報を盗んでおりまして、「払わないと情報を公開するぞ」と脅すこともあります。これがここ2年くらいで流行っている犯罪のスタイルです。

黒木)杉浦さんは、その人たちにどのようにして立ち向かうのですか?

杉浦)事前対処が必要でして、そのようなウイルスソフトに引っ掛からないように対策をするということが大切です。実際、「掛かってしまったときにはどう対応すればいいのか」という相談を受けることもありますが、難しいですね。相手がどこにいるのかが、簡単にわからないようになっていますので。犯人を捕まえることはとても難しいです。ただ、特定できているというケースもあります。特定できているのですけれど、国が北朝鮮や中国なので、西側諸国の捜査力では対応できないというものも多いですね。

黒木)私たちが心掛けなければいけないことはありますか?

杉浦)まずは、できる限りシステムを最新の状態に保って、ウイルス対策ソフトを入れることです。そのソフトが防御してくれることもあります。あとは知らないメールは開かないことです。最近では、知っている人のメールから来て攻撃を受けることもあります。

黒木)えー! なりすましですか?

杉浦)なりすまして来るのですよ。流暢な日本語で、ほぼ完璧に来るのですよね。

黒木)「怖いなぁ」というお話ばかりですね。

杉浦)怖がっていただくか、被害に遭っていただくことしかないのですけれど、被害に遭うよりは、怖がっていただいた方がいいかなと思っております。ハッカー協会では、そういう人たちに対応するためのコンサルティングをやっている方もいますので、そういう方を紹介することもできます。

黒木)銀行振り込みをオンラインで済ますことも増えていますが、その辺りはどうなのですか?

杉浦)銀行に関しましては、最終的にすべて銀行が補償してくれますので、ある程度は安心していいと思います。ただ、企業などですと、一時金的にお金が下ろせなくなるので、影響は少なくありません。被害に遭わないために、できる限り、メールやウェブを見ないパソコンを専用で用意していただきたいですね。侵入される経路はメールがいちばん多いのです。その次にウェブサイトですので、その2つを排除していただければ、安全に使うことができます。銀行のウェブページだけを見るという感じになります。お金を使うところには、それだけお金を掛けて欲しいですね。数万円くらいで済みますので。

杉浦隆幸

杉浦隆幸(すぎうら・たかゆき)/一般社団法人・日本ハッカー協会代表理事

■1975年、愛知県生まれ。
■東京理科大学を中退し、2000年に「ネットエージェント」を設立。
■2004年に「Winny」の暗号解読を行うなどホワイトハッカーの第一人者に。
■2018年、日本ハッカー協会を設立。代表理事としてハッカーの地位向上に努める。

<一般社団法人・日本ハッカー協会>
■2018年設立。
■情報セキュリティ、システム開発、IoTなど、さまざまな分野で活躍するハッカーが安心して新しい取り組みに挑戦でき、活動にまい進できる社会を目指し、ハッカーの地位向上と活躍によるネット社会の安全や健全な発展に貢献して行く。

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