環境問題はビジネスパートナー……日本における“カーボンニュートラル”達成の道筋は? 

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ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」(3月8日放送)に“まちづくり”が専門の昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科専任講師・長屋真季子氏が電話出演。ニッポン放送ではフジテレビ、BSフジと共に国際社会共通の目標である持続可能な開発目標(SDGs)について考えるプロジェクト「楽しくアクション!SDGs」を発足し、この地球で暮らし続ける為に見直すべきことは何なのかを考えており、今回は目標のひとつである「住み続けられるまちづくりを」の観点で“環境”と“経済”にフォーカスした。

環境問題はビジネスパートナー……日本における“カーボンニュートラル”達成の道筋は? 

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環境問題は経済成長をけん引する力になる

辛坊)基本的によくは聞くのだけれども、よくわかっていないというのが正直なところなのですが、SDGsとは何なのですか。

長屋)そうですね、SDGsという言葉だけは皆さん聞いたことがあると思うのですが、 Sustainable Development Goals というのの略語で、日本語では持続可能な開発目標というふうに略されています。2015年に国連で採択された2030年までに世界がこうなっていたらいいよね、という17個の目標から成り立っている国際目標になります。

辛坊)その17個の目標と、長屋さんは専門は何でいらっしゃいますか。

長屋)私は環境経済学というところでして、なので、SDGsって目標が多岐にわたるのですが、大きく分けると3つに分かれていて、社会と環境と経済という問題なのです。私の専門は環境経済なので、環境と経済のところから着目して取り組んでいるということになります。

辛坊)普段はどんな研究をしていらっしゃるのですか。

長屋)普段は環境問題に対して新技術とかって開発されますよね。そういうのが経済成長というのとそういう関係があるのかな、というところを分析したりしています。

辛坊)それもまたテーマとしてはものすごく大きいテーマだと思うのですが、そのなかでも長屋さんのご専門分野って具体的にはどういうものですかね。

長屋)マクロ経済学というところの、経済成長部門という、そういう専門になります。

辛坊)またこれ難しいですね。

長屋)抽象的な話になるのですが、いままでって環境問題と経済って両立しないじゃないかという視点がやはり主なので。

辛坊)まあそうですね。大体日本のイメージでいうと、環境にいいというと値段が高いという。

長屋)そうですよね。慈善活動じゃないか、みたいな、そういうニュアンスが大きかったのですが、それがやはりもう環境問題というのは次のビジネスパートナーとなっているのだと。経済成長をけん引する力になってくるのではないかという研究です。

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SDGs 17の開発目標

女性の得意分野を活かしたまちづくりを

辛坊)なるほど。きょうは国際女性デーということなのですが、研究していらっしゃる分野と女性問題とは違いますが、役割といいますか、そのあたりはいかがですか。

長屋)そうですね。研究分野に関して、そこにダイレクトに女性というところは正直あまり関係ないかなという風に個人的には思っています。環境問題というのは女性も男性も関係ないので。だから女性というのがダイレクトに研究に関係するかといわれたら、私の研究には関係はないのですが、それでも世の中の流れとして、女性というものが世の中の半分いますので、その女性の得意分野がありますよね。生活に密着した視点というか、そういう視点というのがこれからの経済であるとか、それからまちづくりであるとかにダイレクトに関係してくるかなというふうに思います。

辛坊)そういう研究者の目線で見て、現状の日本はどういう風に見えていますか。

長屋)そうですね、女性に関しては、女性の登用とか増えてきた部分もあるし、すごく時代が変わってきたなと思います。

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着実に進んでいる日本の“カーボンニュートラル”

長屋)環境問題に関しても、それこそ私が最初20年くらい前に学生時代で、最初に話を聞いた頃は、まだまだ環境というのは慈善活動っぽい空気感が漂っていたけれど、もう今回は国家戦略で中心話題になってきましたよね。そういうふうに、社会全体が大きく変動しているなと感じます。

辛坊)日本でいちばん大きな環境問題って何なのですかね。

長屋)日本これからもやはりカーボンニュートラル、それがいちばん環境問題で大きいかなと思いますね。どんどんエネルギーを何でつくっていくかという問題が大きくなってきたかなと感じます。

辛坊)それでいいますと、経産省の戦略とか、この過去太陽光とか自然エネルギーみたいなものに関する政策を見ていると、自然エネルギーは値段が高くて効率が悪い、というようなイメージをどんどん公でつくっているような気がするのですよね。本来自然エネルギーって最終的にはいちばん安上がりなエネルギーであるべきだし、そうなる可能性もあると思うのですが、いま日本のイメージでいうと、自然エネルギーと聞いた瞬間に高い、とかね。そういうイメージになってしまっているのがすごく不幸な事態だなと私は思うのですが。

長屋)再生可能エネルギーはつくるのはタダなのですが、つくった後に貯蔵するであるとか、電気を運ぶとか、そういうところにけっこう技術革新とか新技術の開発、そこにお金がかかるのですね。ですのでそこが特に日本の企業などはそこで技術革新してビジネスチャンスにしようというところもあるので、自然エネルギーが安いか高いかというところのなかのコストの内訳がけっこう大切になってくるかなと思います。

辛坊)そうなるために、ブレイクスルーという言葉がありますけれども、何か大きな突破口が必要なのか、現在の延長線上でなんとかなりそうなのか、先生どう見ていますか。

長屋)そうですね、ブレイクスルーというか、着実に進んできているなとは思います。再生可能技術であるとか、いまアンモニアで発電するという時代にもなってきましたので、どんどん新しい技術が生まれてきたので、ブレイクスルーというか、着実に一歩一歩進んでいっているのではないかと思います。

辛坊)となると、そんなに物事を悲観的に見なくても、いまのやり方でいいとこを伸ばしていけば、十分日本も持続可能だということですね。いろいろな意味で。

長屋)そうですね、そういうふうに進んでいくべきだなと私も思います。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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