意外と知らない呼吸のこと……その仕組みと重要性を医師が解説

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東京都医師会理事で順天堂大学総合診療科教授の小林弘幸氏が5月25日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。食事と並んで、人が生きて行くために重要な「呼吸」について解説した。

意外と知らない呼吸のこと……その仕組みと重要性を医師が解説

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

飯田浩司アナウンサー)先生は、マスク着用や3密回避など、ウイルスに感染しないための対策以外にも、発症しない・発症しても重症化しないための対策を掲げています。その1つに、免疫力の向上を目的とした、肺を鍛える「肺活」の重要性を訴えていらっしゃいます。肺の機能を上げようとすると、呼吸の仕方が重要になるのですか?

小林)そうですね。呼吸はとても重要で、人が生きて行くためには、呼吸と食事が不可欠です。食事は皆さん気にしているのですが、呼吸はあまり気にしていません。何が違うかと考えたら、お金を払っているかどうかだと思うのです。例えば、「呼吸1回につき150円です」と言われたら、意識して呼吸しますよね。

新行市佳アナウンサー)「元を取るような呼吸をしなければ」と思いますよね。

小林)意識せずに呼吸しているので、蔑ろにされがちなのが現状です。呼吸に関して、今回のキーワードは「肺胞」です。肺胞の役割は、二酸化炭素と酸素の交換(ガス交換)です。

肺のなかには気管支というものがあって、気管支の先端に「肺胞」があります。大きさは0.1mmで、数は3~6億個あると言われています。肺胞の周りには毛細血管が張り巡らされています。この毛細血管のなかに血液が流れ込み、そこから酸素を取り込んで心臓へ送られ、全身に回しているのです。ですから肺胞は、呼吸の質を決めるのにとても重要なものとなります。

飯田)先端中の先端、例えるなら「現場」ということですか?

小林)そうですね。

意外と知らない呼吸のこと……その仕組みと重要性を医師が解説

新行市佳アナウンサー、小林弘幸氏、飯田浩司アナウンサー

飯田)肺胞が自然に増えることはないのですか?

小林)増えませんし、肺胞というものは一度壊れてしまうと、なかなか再生できません。

新行)肺を鍛えるには、どんなことをしたらいいのでしょうか?

小林)肺そのものを鍛えることはできないので、いまある肺胞を最大限に活用することが重要です。そのためには、呼吸の質を改善することです。肺というものは、肺だけが動いているわけではなく、肺の動きをサポートする「呼吸筋」という筋肉があります。また、肺は「胸郭」と呼ばれるような、肋骨などの骨で囲まれていますが、そこにも「肋間筋」や「横隔膜」など、いろいろな筋肉があります。そういうものがしっかり活躍し、スペースを確保してくれるので、肺は広げることも縮むこともできるのです。ですので、それらの筋肉を鍛えることが重要になります。

ところが筋肉ですので、横隔膜もそうなのですが、どうしても年齢とともに柔軟性がなくなります。柔軟性がなくなると胸郭が開きませんので、肺も開きにくくなります。そうなると呼吸の回数も増えて、浅い呼吸になってしまいます。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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