カルテは患者のものか、医療機関のものか

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東京都医師会理事で「目々澤医院」院長の目々澤肇氏が6月4日、ニッポン放送「​モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。カルテは患者のものなのか、医療機関のものなのか、カルテの所有権について解説した。

ニッポン放送「​モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

カルテは一体誰のものか

飯田)カルテは誰のものかという話ですが、目々澤先生はどうお考えですか?

目々澤)私はカルテは患者さん個人のものだと考えています。これには昔からいろいろ異論があります。東京都医師会の会員にアンケートを取ると、「カルテは患者さんのものだ」と考えていない方がまだ23%います。実際、患者さんに対して自分が持った印象なども書きます。だから客観的なものではない、「主観的なものも混ざっているから患者さんの目には触れて欲しくない」と思う方が、まだいらっしゃるということだと思います。

飯田)なるほど。

目々澤)我々のように、客観的なデータを書き、患者さんから得られた情報を整理して書けば、例えば「隣の猫が死んだ」というフレーズだけでも、その猫が患者さんにストレスを与えていたのか、それとも猫が癒しになっていたのかということがわかります。そういうものは医者と患者さんが共有するべきです。ただ「持ち主が誰か」と言われれば、それは患者さんであると考えています。

現在、ネットワークで流せるのはテキストデータのみ

飯田)電子カルテでやり取りをするときも、それが誰のものかということによって、病院同士でやり取りをしていいのか、それとも門外不出のものなのかというところの印象も変わって来ますよね。

目々澤)そうだと思います。その辺のデータを流すかどうかは各病院にお任せしていますが、医師の記述そのものがネットワークで流せる規格にはまだなっていません。だから「ネットワークをつなぐ」ということに関しては、まだグレーゾーンになっています。クローズされているものと考えていただければよろしいかと思います。

飯田)いまネットワークで流せるのは、客観情報の部分のみということですか?

目々澤)テキストデータが主体です。今後、血液検査の情報、どんな薬を飲んでいるか、どんな注射を受けていたか、アレルギーの情報、そして病名が流れるようになります。

新行市佳アナウンサー、目々澤肇氏、飯田浩司アナウンサー

レントゲン画像などのデータの扱い方~患者さんが持っていれば無駄が省ける

飯田)最近、電子カルテを入れているところが多くなりました。うちの会社の医務室も最近、電子カルテに変わったのですが、喉を見てもらうと、喉の絵があって、そこにタッチペンで患部を描いて説明する。ああいう絵や、レントゲンを撮った画像がありますが、その情報は今後どうなるのでしょうか?

目々澤)その情報を流すとかなりの容量になってしまうので、これから我々がうまく流し合えるものを考えなければいけません。「実際にできてはいるけれど、それを流す仕組みをこれから考える」と言う方が正しいかも知れません。

飯田)これから。

目々澤)そういう客観的なデータ、特に画像は患者さんのものです。例えば検査専門のクリニックに行くと、検査したデータの入ったディスクを渡されます。患者さんがそのディスクを病院に持って行くと、受け取ったあと、そのディスクを破壊してしまうところがあるのです。

飯田)壊してしまうのですか。

目々澤)データは個人情報の塊なので、それを他の病院で見るときには、また新たに焼くのです。私のところでは、同じように持って行ったディスクは、「病院に頼んで返してもらって」と患者さんにお話ししています。照会に使って病院が情報を吸い上げても、その病院から返してもらって個人で持っていれば、また何かあったときに患者さんが他の病院に行っても、そのデータを健康保険証と一緒に持って行くと、その情報が使えるのです。そうすれば、検査の無駄が少しでも省けるのではないかと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます


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