選手への救護はどう行われるのか~東京オリンピック
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東京都医師会理事で河北総合病院・理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が7月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。東京2020オリンピック・パラリンピックでの東京都医師会の救護体制について解説した。
飯田浩司アナウンサー)東京オリンピックは無観客観戦となりましたが、競技場のなかでの救護体制はどうなりますか?
新井)東京都医師会は競技会場のなかの、観客用と呼んでいますが、選手以外の観客と関係者を看護いたします。選手に関しては、競技に特化したケガがありますので、それに精通したチームが診ることになります。
飯田)スポーツドクターの方などですね。
新井)そうですね。
ドーピング問題もあり、選手が救護を受ける場合、部外者は入れない
飯田)国際大会ですので、不正の防止も注目されているところですが、その辺で切り分けられているところもありますか?
新井)それもあります。ドーピングの問題もありますので、セキュリティは厳しくされていまして、選手が救護を受ける場合には、部外者は入れないようになっています。
飯田)隔離されていて、なかに入れない状況ですか?
新井)そうですね。
飯田)お医者さんとして、ドーピングの問題がニュースなどで出て来ると、普通の風邪薬を飲んでも引っかかるというような話も出て来ます。投薬にもかなり気を遣うものなのですか?
新井)そういうことに精通して、「この薬は大丈夫、これはダメ」ということをそれぞれの競技のスポーツドクターが周知していますので、そこで対応しています。
「海の森水上競技場」を担当する東京都医師会
飯田)どこに行くかということはお聞きしてもいいのですか?
新井)東京都医師会は、海の森の水上競技場を担当します。ボート、カヌー、馬術のクロスカントリーが行われる競技会場です。そこで観客用の医療救護を行う予定になっています。
飯田)先日、あそこでプレ大会があって、言って来ましたが、日陰が少ないところですね。
新井)一昨年(2019年)になりますが、馬術のクロスカントリーのテストイベントがありまして、私も参加しました。3時間弱くらい滞在しましたが、とても暑くて、熱中症までは行きませんでしたが、脱水症状に近い状態になった記憶があります。おっしゃる通り、日陰が少ないので、危ないなと感じましたね。
飯田)私は馬場馬術の取材で行ったのですが、人もそうですけれど、馬もバテそうでしたね。
新井)馬が可哀想な状況になっていましたね。馬用の大きなテントがあって、巨大な扇風機で馬を冷やすのですが、そういうことも必要ですね。
飯田)対応される先生方はローテーションで決めて行くという感じですか?
新井)当初は5日間以上出ていただきたいということで、プランを組んでいたのですが、現在は新型コロナウイルス感染症が拡大している状況なので、何日も出ていただくことは難しくなりました。そのため、日数を短くしながら対応していただくことになります。ほとんどが救急対応できる先生、そしてナースの方という形でチームを組みました。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます