岸田内閣は「北朝鮮による拉致問題」をどう進めるべきか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月15日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。北朝鮮の拉致問題について解説した。

岸田内閣は「北朝鮮による拉致問題」をどう進めるべきか

【全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会】挨拶する拉致被害者家族の横田早紀江さん=2021年11月13日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

北朝鮮による拉致問題

11月15日、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致され44年となった。岸田総理大臣は13日に都内で行われた拉致問題の解決を訴える集会に出席。被害者家族らの前で「私の手で必ず解決しなければ、と強く考えている」と問題解決に向けた決意を語った。

飯田)昭和52年11月15日の事件であったということです。

須田)もう44年ですからね。自分がその立場であれば、どうなのかと考えると、居ても立っても居られない状況なのだろうと思います。それに対する政府の向き合い方は、冷淡だったなと思います。「解決しなければならない」ということを繰り返すのだけれど、具体論として「こういうことをやろうと思っている」「こういうアクションを取っている」という話が、公表できるかどうかは別として、何もないではないですか。

飯田)そうですね。

須田)そこに対する苛立ちがあっても、ご家族としては批判することもできない。

欧米とは違う日本独自の対応の仕方がある

飯田)北朝鮮の体制を変えるなり、態度を改めさせるにはどうすればいいのかというところですが、いろいろな側面での環境が悪くなったときにだけ、日本に向いて来るということが指摘されています。この先はどうすればいいのでしょうか?

須田)小泉政権のときに2回にわたって、当時の金正日総書記と直接会談を開きました。結果的に日朝平壌宣言が結ばれて、核ミサイルの問題についても、このときに決められたのは六ヵ国協議の枠組みですが、その枠組みのなかで解決を図って行きましょうということになった。なぜ、あのときにあれだけ日朝関係が前進したのかと言うと、米朝関係が最悪だったからなのです。

飯田)そうですね。

須田)その仲立ちを日本に期待していたことが、唯一にして最大の理由なのです。では、いまそういう状況にあるのかというと、米朝間にそれなりのパイプがあるので、日本が仲立ちするようなチャンスはない。しかし、アメリカは地理的に離れていることもあり、この問題に対して優先順位が高くない。あまりやる気がないのです。とは言っても、北朝鮮にしてみると長引く国連の経済制裁によって、経済が相当疲弊していることは間違いありません。

飯田)経済が。

須田)となると、むしろアメリカに対してというよりも、国連に対する働きかけや、経済問題で日本がやれることはあるはずなのです。アメリカやヨーロッパと共同で強硬策を取るだけではなく、日本には日本の事情があるわけですから、他のやり方があるのではないかと思います。

毅然とした対応を取る一方では経済問題などで協力する

飯田)日本に対して「あいつらは何をやっても文句を言わないし、何もやり返して来ない」と思われているのではないかと危惧しますが、どうなのでしょうか?

須田)日本は弱腰だと思います。毅然とした対応を取る、やられたらやり返すというメッセージを送る。その一方で何をするかということなのです。毅然とした対応だけでは、問題解決が図れませんから。こちらの分野では何らかの協力ができるようなところがあるのではないかと。特に経済問題について対策があるのではないでしょうか。

飯田)防衛省での敵基地攻撃能力に関する会議などを見せながら、両輪で行うということですか?

須田)そうですね。重層的に行わなければならないと思います。

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