「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
2020年秋に行われた「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」。さまざまな観光イベントとともに記念駅弁が発売されました。しかし、なかなか遠くへはお出かけしにくかった時期。いろいろな取り組みを楽しめなかった方も多いのではないかと思います。現在、この“アフターキャンペーン”に合わせて、広島の味が詰まった記念駅弁も、期間限定販売されています。
広島県内を駆け抜ける、山陽・九州新幹線直通の「さくら」号。平成23(2011)年3月の運行開始から、今年(2021年)で10年を迎えています。コロナ禍では山陽路を移動する人も少ない時期が続きましたが、秋から初冬にかけては、「西日本どこでもきっぷ」などのお得なきっぷが出ていることもあって、山陽新幹線もまずまずの様子。空いた列車よりも、そこそこお客さんが乗っている新幹線のほうが、ホッとしますよね。
広島エリアでは、去年(2020年)10~12月にかけて、“ミタイケンひろしま”をテーマに、「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」が開催されました。このキャンペーンに合わせて発売された記念駅弁が、広島駅弁当が製造する「ミタイケンひろしま弁当」(1200円)。広島駅弁当によると、好評を博したことから、その後も継続販売され、いまのところ、アフターキャンペーンが終了する12月までの販売を予定していると言います。
【おしながき】
・じゃこ飯(広島県産ちりめん使用)
・広島郷土料理・穴子飯
・広島県産カキフライ
・広島県産小鰯の南蛮漬け
・広島県産亜麻仁牛の牛肉煮
・広島県産玉子の出汁巻き玉子
・茄子のお浸し(じゃこ味噌和え、広島県産ちりめん使用)
・レモンゼリー(広島県産レモン使用)
・もみじ饅頭(天ぷら、にしき堂もみじ饅頭使用)
広島のカキやちりめん、小鰯といった海の幸はもちろん、地元のブランド牛やレモンを使ったデザートなど、まさに“広島づくし”の「ミタイケンひろしま弁当」。なかには、初めて味わう“未体験”のご当地食材もあるかも知れません。ご飯はじゃこ飯と穴子飯の2種類が少しずつ味わえる他、デザートもレモンゼリーともみじ饅頭の天ぷらの2種類。しまなみ海道由来のレモンでサッパリ〆るか、宮島の揚げもみじをモチーフとしたあんこで甘い気分に浸りながら〆るか、悩ましい時間が何とも楽しいですね。
JRグループと各自治体が協力しながら行っている「デスティネーションキャンペーン」。コロナ禍が厳しい間は、観光キャンペーンが行われていても、多くの方にとってはお出かけしにくく、このような記念駅弁にお目にかかる機会も少なかったのではないかと思います。その意味でも、あと1ヵ月弱、去年お出かけできなかった方も、ぜひ味わっておきたいもの。小春日和の陽気に誘われて、「やっぱり旅って楽しい」と実感したい2021年の初冬です。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/