バラを3000本枯らしてしまった修業時代の大失敗 食用バラ農家「ROSE LABO」田中綾華

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(11月30日放送)にバラ農家でROSE LABO株式会社の田中綾華が出演。食用バラ農家になり、企業するまでの経緯と過去の大きな失敗について語った。

埼玉県深谷市で農薬不使用の”食べられるバラ”の栽培、そのバラを原料とした加工食品と化粧品の開発・販売をするROSE LABO

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黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。11月29日(月)~12月3日(金)のゲストはROSE LABO株式会社の田中綾華。2日目は、大学を辞めて起業に至ったきっかけと、自身が経験した大きな失敗について---

黒木)大学に行かれていて、やりたいことが特になく、夢もなく、劣等感の塊であった自分が、あることをきっかけにして大学を辞められたそうですね。その辺りのお話を聞いてもいいですか?

田中)いまは食用バラの農家をやっているのですが、家族に農家がいるわけでもなく、生まれも東京都内出身だったので、まったく農業にゆかりもなかったのですが、子供のころからバラが好きでした。夢とか目標がまったくないなかで、「どのように自分の人生を歩んで行こうかな」と思ったときに、「健康寿命の間は楽しく生きたいな」と思い、逆算すると、仕事が大きく時間を占めているなということに気が付いたのです。「それならば、好きなことを仕事にしよう」と思ったことがきっかけで、いま食用バラ農家になっています。

黒木)大学を辞められて大阪に行って、そこで1からバラのつくり方を学んで、そこから独立されてお母様と一緒に会社を立ち上げられた。最初はたくさん失敗をされたということですが、どのような失敗だったのですか?

田中)大学を中退した後、大阪のバラ農家で2年間、泊まり込みで修行をさせてもらったのですが、自分にはまだまだ知識が足りていなくて、当時育てていた合計3000本ほどのバラをすべて枯らしてしまったことがあります。

黒木)3000本ですか。

田中)農家なので作物がきちんと育たないと売るものがなくなってしまうので、お金もないし時間もないし、大切なバラを私のせいで枯らしてしまったということが、本当に悔しくて苦しくて情けなくて仕方がなかったです。

田中綾華 ROSE LABO株式会社 代表取締役

田中綾華 ROSE LABO株式会社 代表取締役

黒木)そこからは?

田中)そこからは農業の専門学校に通いました。

黒木)大阪で2年修行してそこから専門学校にまた2年行かれて、それでいまがあるということですが、奮い立たせたものは何ですか?

田中)どちらかというと私は普通の女子大生のような感じで勉強も好きではなかったので、恋バナしたりファッションの話をしたり、当時、タピオカが流行っていたので、タピオカを食べに行くというような毎日を過ごしていました。何かあると、人のせいにして現実から目を逸らしていました。

黒木)普通の女子大生だったということですね。

田中)自分で起業するということは、「全部の責任が自分にある」ということをすごく体感しました。でも、周りの人や応援してくれる人がいたからこそ、歯を食いしばって頑張れたかなと思います。

黒木)食用バラがあるということはお母様から教えてもらったと聞きましたが、「あ、これだ」と思ったのですか?

田中)バラ好きとして「食用バラを食べてみたいな」ということが最初の思いでした。いままでバラは長い間世界中で親しまれて来たからこそ、見たり嗅いだりする以外に「食べる」という価値を世のなかに広めたいなということを思い、起業しようということになりました。

黒木)好きなことを毎日やっていらっしゃるから、その意味では、いま夢が叶っている真っ最中ですね。

田中)毎日が楽しくて仕方がないです。

黒木)バラづくりは大変だとは思いますが、その3000本のバラを枯らしたことがいまの田中さんの経験になってきているのですよね。

田中)当時は苦しかったのですが、そこで諦めなかったからいまがありますし、同じ失敗を繰り返さない体制がつくれました。どのような失敗にも目を背けないで、まずは受け入れて、立ち向かって行かなければいけないなということは、私自身の人生の教訓になりました。

バラを3000本枯らしてしまった修業時代の大失敗 食用バラ農家「ROSE LABO」田中綾華

田中綾華 ROSE LABO株式会社 代表取締役

田中綾華(たなか・あやか)/ ROSE LABO株式会社 代表取締役

■1993年生まれ。東京都出身。
■大学1年生の頃、「食べられるバラ」があることを知り、大学2年で中退。大阪の「食用バラ農家」でバラつくりの修行を開始。その後、修行を終えて独立。2015年、22歳のときに埼玉県深谷市の農場にビニールハウスを建て、「ROSE LABO」を設立。試行錯誤しながら食用バラの生産を開始。世界初の美容成分高配合の新品種のバラを開発するなど会社を軌道に乗せた。
■理念は「食べられるバラを通して世界中の女性を美しく、健康に、幸せに」。
■田中さんの「ROSE LABO」では、食べられるバラの栽培、バラを配合したジャム、ティーなどの加工食品や化粧品などの商品開発・販売を展開。現在100店舗以上のお店で常設販売されている。
■6次産業を成功させた起業家として、2019年には「マイナビ農業アワード」で最優秀賞を受賞するなど注目され存在に。

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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