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「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

1986年の埋設式

今回ご紹介するのは、いまから36年前……1986年(昭和61年)のお話です。この年はいったいどんな年だったのでしょうか?

政治は中曽根内閣。大相撲では、横綱・千代の富士が6場所中5場所優勝。新語・流行語には「究極」「新人類」などが入り、ヒット商品は「写ルンです」でした。ダイアナ妃も来日した年です。

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

堀越会長(左)と山田さん

また、大きな事故も起きました。スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故や、チェルノブイリ原発事故。事件では、三井物産マニラ支店長誘拐事件や、有楽町現金輸送車3億円強奪事件。そして、フライデー襲撃事件も……。

この年からバブル景気が始まって、映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大ヒットしています。

そんな1986年(昭和61年)に埋められた「タイムカプセル」が、去年(2021年)11月に掘り起こされました。どんなものが出て来たのでしょうか?

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

埋設物の展示

葛飾区の8つの町内会でつくる「東立石地区連合町会」。その創立20周年を記念して、タイムカプセルが「区立かわばた公園」に埋められたのは、1986年11月30日のことでした。前年に「つくば万博」が開催され、タイムカプセルが再び注目されていたこともあって、「記念に埋めよう」ということになったそうです。

掘り起こして開封する年は、語呂のいい「2020年」にしましたが、新型コロナの影響で1年遅れたことにより、2021年11月27日になりました。しかし、いざ掘ってみると、腰の深さになっても何も出て来ません。「本当にここに埋めたのか?」と不安がよぎります。

当時立ち会った人は、いまでは数人しかいません。今度はパワーショベルを使って、さらに深く掘って行きます。すると、1m80cmほどの地中から、青い強化プラスチック製のタイムカプセルが姿を現しました。

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

1986年の埋設物募集チラシ

さっそく地元の交流施設「東立石地区センター」に運び込み、ボルトで固定された蓋を開けます。すると、なかから町内のお祭りや旅行会の写真、法被(はっぴ)、町内会の地図や名簿、当時の新聞、小学校の作文や寄せ書き、将来の自分に宛てた手紙、色鮮やかな未来都市の絵などが出て来ました。

開封に立ち会った連合町会の会長・堀越克夫さんはこう話します。

「当時、私はOA機器の会社に勤め、仕事が忙しくて町内のことは妻に任せっきりだったので、このことには関わっていなかったんです。タイムカプセルからたくさん出て来た、お祭りや旅行の写真を見て驚きましたね。この町会がひとつになって、元気だった様子がよくわかりました。これからもこの地域を元気にしてくれよ、というメッセージが届いたような気持ちになりましたね」

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

未来の自分へ宛てた手紙

タイムカプセルのなかから出て来た写真は、地元で「山田写真館」を営んでいた、山田四郎さん(83歳)が撮影したものでした。

「あのころ、ひとつの町会に3つの小学生の野球チームがあるほど子どもが多くてね。お祭りやスポーツ大会の撮影には必ず立ち会いましたよ」

そんな山田さんのことを書いた作文が偶然見つかりました。

「日光では、自分たちでつくる飯ごうすいさんや、キャンプファイヤーをしました。飯ごうすいさんでは、カメラマンの山田さんが、手伝ってくれました。山田さんは、キャンプファイヤーの火もよく燃えるようにしてくれました。感謝しています」

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

山田さんへの作文

「毎年、小学6年生の林間学校に同行していたから、先生より私の方がテント張りや薪に火をつけるのがうまくてね。子ども達から『山田のおっちゃん、こっちも手伝って!』と言われていました。当時の私は40代だったんですよ。若かったなぁ」と、山田さんは懐かしがっていました。

川端小学校の茶封筒から、未来の自分に宛てた手紙が36通出て来ました。当時、手紙は60円切手だったので、不足分を貼って近いうちに郵送するそうです。そのうちの何通かは本人の所在がわかり、直接渡されました。

例えば、タイムカプセルの開封に立ち会った男性が、「これ、うちの妻が書いた手紙だ!」と奥さんに手渡しています。8歳の自分から届いた手紙には、習い始めた「葛飾諏訪太鼓」の発表会で緊張してうまく叩けなかったこと。そして、未来の自分のことを力のこもった鉛筆で、このように書いていました。

「このてがみをみるころは、もうわたしは、およめに行って、わたしぐらいの子がいるでしょう。あと、なつかしくおもうでしょう」……8歳の女の子の未来予想は、的中していたそうです。

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

8歳の自分から届いた手紙

小学生の「寄せ書き」には、「水泳の選手になってオリンピックに出てみたい」「お寿司屋さんになって弟子をもちたい」「田園調布のプール付きの家に住みたい」「誰からも好かれる女優になりたい」「映画監督になってアカデミー賞を取りたい」といった、いろいろな夢が溢れています。

大きな夢もあれば、ささやかな夢もあります。「その夢は叶えられたのかな……」と思っていると、小学6年生の女の子の作文、最後の1行にこんな言葉が書いてありました。

「大人になっても、夢を持っていたいと思う」

「36年前のタイムカプセル」 8歳の自分から届いた“未来予想の手紙”が的中?

未来都市の水彩画

■タイムカプセルの埋設物の展示

住所:東立石地区センター1階(東京都葛飾区東立石2-15-7)
展示期間:2022年1月21日(金)まで(時間/9:00~17:00)
問合せ先:03-3692-9393

番組情報

上柳昌彦 あさぼらけ

月曜 5:00-6:00 火-金曜 4:30-6:00

番組HP

眠い朝、辛い朝、元気な朝、、、、それぞれの気持ちをもって朝を迎える皆さん一人一人に その日一日を10%前向きになってもらえるように心がけているトークラジオ

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