9月開業の西九州新幹線! 乗り換えだけではもったいない、武雄温泉駅の名物駅弁とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

画像を見る(全9枚) 佐賀牛すき焼き弁当

2022年9月23日、武雄温泉~長崎間が先行して開業する西九州新幹線。当分の間、乗換駅となる武雄温泉駅は、武雄温泉の玄関口です。駅から徒歩圏内には、シンボル「武雄温泉楼門」や共同浴場があって、温泉宿が軒を連ねています。さらに九州有数の人気駅弁もあって、途中下車を楽しみたい駅でもあります。西九州新幹線の開業に向け、急ピッチで工事が進む、武雄温泉駅とその周辺を訪ねました。

885系電車・特急「かもめ」、長崎本線・新鳥栖~肥前麓間

長年、博多~長崎間の特急列車として親しまれている「かもめ」。今年(2022年)9月の西九州新幹線(武雄温泉~長崎間)の開業に伴って、その愛称を新幹線に譲り、博多~武雄温泉間では、特急「リレーかもめ」が運行されます。これにより、博多~長崎間は、現在より約30分短縮されて最速約1時間20分に。また、武雄温泉駅では、新幹線「かもめ」と特急「リレーかもめ」が同一ホームに停車し、対面で乗り換えられるようになります。

(参考)JR九州ニュースリリース・2022年2月22日分

武雄温泉駅

秋、西九州新幹線がやって来る武雄温泉駅をひと足早く訪ねました。ザッと見たところ、新幹線を案内する看板なども設置されて、工事も順調のようです。西九州新幹線・武雄温泉~長崎間は約66km。途中、嬉野温泉、新大村、諫早の各駅が設けられます。嬉野温泉へは長年、JRバスでアクセスしていましたが、鉄道で行ける時代がついに来ました。新大村では大村線、諫早では長崎本線・大村線・島原鉄道と接続します。

武雄温泉楼門

武雄温泉駅は、その名の通り、武雄温泉の最寄り駅。開湯1300年を誇る温泉のシンボルは、「武雄温泉楼門」です。辰野金吾の建築で大正4(1915)年に完成。平成17(2005)年には国の重要文化財になりました。楼門に描かれた4つの干支と、同じく辰野が設計した東京駅丸の内駅舎の8つの干支を合わせると、十二支が揃うことでも話題。その意味でも、東京駅と武雄温泉駅が新幹線のレールで結ばれる日が待ち遠しいものです。

カイロ堂

新幹線「かもめ」と特急「リレーかもめ」は、ホームで対面乗り換えとなりますが、武雄温泉駅は、乗り換えるだけではもったいない駅だと感じています。武雄温泉楼門の横にある「武雄温泉元湯」は、明治9(1876)年築の歴史ある建物の共同湯で駅から徒歩約15分。そして何より、武雄温泉駅は九州有数の人気駅弁の販売駅でもあります。改札外にある「カイロ堂」の売店(現在の営業時間8:30~15:00)では出来立ての駅弁が待っています。

佐賀牛すき焼き弁当

名物駅弁は「佐賀牛すき焼き弁当」(1620円)。2012~2013年の「九州駅弁グランプリ」を連覇した実力派です。私もこのときJR九州本社で取材しましたが、1年目の受賞に慢心せず、ご飯と肉のバランスがよくなるよう、肉の切り方を変えるなど努力をされていました。また、昔はほぼ温泉のお客様の駅だったのが、この駅弁ができてから駅弁を目当てに、武雄温泉駅へやって来てくれる方が増えたと話されていたのも印象的でした。

画像を見る(全9枚) 佐賀牛すき焼き弁当

【おしながき】
・白飯
・佐賀牛のすき焼き(牛肉、ごぼう、糸こんにゃく) はじかみ
・きんぴら(れんこん、人参)
・なます(大根、人参)
・さくら漬け

佐賀牛すき焼き弁当

ふたを開けるとすき焼きのいい香り! 敢えて少し時間をおいてからいただいたのですが、やわらかく煮こまれた佐賀牛は、冷めてもふんわりした食感! ご飯がとてもよく進みます。訪れた日は、地元の方が駅弁を10個ほどまとめ買いされていました。お店の方によると、コロナ禍で宴席ができない分、ちょっといい駅弁をいただく昼食会を開く会社が多いそう。旅行者だけでなく、地元の方にもしっかり愛されている駅弁に、本当に嬉しくなりました。

885系電車・特急「かもめ」、長崎本線・多良~肥前大浦間

西九州新幹線の開業に伴って、博多~長崎間の移動は、武雄温泉駅で新幹線「かもめ」と特急「リレーかもめ」を乗り継ぐ形に変わります。合わせて、長崎本線の有明海沿いの区間(肥前山口~諫早間)は、一部は非電化に変更されると伝えられ、沿線の風景も、大きく変わりそうです。この区間を特急「かもめ」で移動できるのもあと半年あまり。在来線特急から新幹線への移り変わりを、静かに楽しみたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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