コロナ禍で「面会できないから」という理由で高齢者施設への入居を断念する家庭も

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東京都医師会理事で「西田医院」理事長の西田伸一氏が4月26日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。高齢者施設と新型コロナ感染症について解説した。

コロナ禍で「面会できないから」という理由で高齢者施設への入居を断念する家庭も

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

徐々に緩められる高齢者施設での対面での面会

飯田浩司アナウンサー)コロナ禍になって3年目に突入していますが、現在、高齢者施設において入居者の方々とご家族の方々の対面での面会は、どのようになっているのでしょうか?

西田)「全面禁止」という形からは徐々に緩められている状況だと思います。

飯田)一時、全面禁止だったというのは、リスクを考えての対策だったのですか?

西田)そうですね。特にデルタ株は重症度が高く、高齢者の方へのリスクが高かった。高齢者施設のなかで感染が起こる原因は、外から持ち込まれる以外には考えられないので、そこを厳重に管理したということです。

飯田)入居されている方が、積極的に外に出かけるというような状況は、考えづらいからということですよね?

西田)ある意味では、施設の水際対策という意味合いなのでしょう。

スタッフの子どもから感染が拡大するパターンが多い ~第6波

飯田)外から入ってくる人たちとなると、まずはご家族、あるいはなかで働いている方ということになります。働いていらっしゃる方も、緊張感を持って感染予防をしているということですか?

西田)介護施設のスタッフの方たちは、非常に神経を使って日常生活を送っていらっしゃいます。ただ、第6波になり、ご本人やスタッフの方がどれだけ注意していても、お子さんが持ってきてしまうケースが増えました。小さいお子さんを育てている方が介護スタッフには多いので、「お子さんから感染が拡がる」というパターンが私の知る限りでは多いですね。

飯田)そこを防ぐには、ワクチン接種ということになってきますか?

西田)面会を緩めるにあたっては、3回目の接種や抗原検査、PCR検査の陰性証明があることを条件に緩和する施設が多くなっています。

コロナ禍で「面会できないから」という理由で高齢者施設への入居を断念する家庭も

新行市佳アナウンサー、西田伸一氏、飯田浩司アナウンサー

「面会できないから」という理由で高齢者施設への入居を断念する家庭も

飯田)コロナ禍で家族と会えないなかで、入居者の方々からも「会いたい」という要望はやはりあるのでしょうか?

西田)その声は大きいですね。ご家族の方もそうです。面会できないからという理由で、施設を嫌厭されるご家庭もあります。家族介護が限界に近いのだけれども、施設に入ると面会できないから、もう少し頑張ろうという家庭もあります。

飯田)そうすると、ご家庭に負担がかかってしまうということになるのですね。

西田)そうですね。

完治後も安心できない高齢者による新型コロナ感染症

飯田)感染対策をしながら、施設に入る方の人生についても考えていかなければなりませんか?

西田)新型コロナ感染症というのは、そこまで影響してくるものだということです。高齢者の方がコロナに罹ってしまうと、コロナ感染症が治ってもコロナ感染症によって体力が低下し、それがきっかけで衰弱するという方が多いです。高齢者の方がコロナ感染症にかかった場合、早く治ったとしても、その後のことを考えると決して安心はできません。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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