日銀の動きに影響する「欧米投機筋との攻防」
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ジャーナリストの須田慎一郎が6月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。大規模な金融緩和の維持を決定した日銀の金融政策について解説した。
日銀が大規模な金融緩和の維持を決定
日本銀行は6月17日、金融政策決定会合を開き、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する大規模な金融緩和策を維持することを決めた。
飯田)6月16~17日に行われた日銀の金融政策決定会合では、大規模緩和を維持する形になりました。
欧米の投機筋と日銀のバトル
須田)ここへ来ての日本銀行の動きは、欧米のヘッジファンドというか、投機筋との大バトルが関係しています。円売り、国債売りということで、何とか日銀に現在の政策を改めさせようというプレッシャーが掛かっているのです。そういう事情があることを念頭に置いて、いまの動きを見ていくべきです。
飯田)欧米の投機筋とのバトルが。
須田)円を売って円安に持っていくことによって、日銀の金融緩和策を若干でも緩めることになる。つまり金利上昇になると、国債価格は下落することになりますから、国債を売っている側からすると、買い戻せば利ざやが稼げるのです。国債マーケットは大きいですから、そういった点で言うと、濡れ手に粟です。
飯田)利ざやを稼げば。
須田)そうはさせまいと、日銀がいろいろなイールドカーブ・コントロールで何とか買い支えていくという構図なのです。インフレを放置する云々の話ではないのだということは、ご理解いただきたいと思います。
黒田日銀総裁の任期を控え、ヘッジファンドとの攻防は激しくなる
飯田)今回、日銀は踏み止まったということになるのですか?
須田)そういった動き、投機筋の思惑に乗るわけにはいきませんから。やはりまだマイルドなインフレ、物価上昇率、コアコアCPIで2%というのは実現できていないわけです。そこへ向けては筋を通していこうということなのだと思います。
飯田)2023年には総裁、副総裁の任期も来ます。その辺りも睨んで、「政策の転換をそろそろしたらいいのでは」というところも、足元を見ているわけですか?
須田)ゴールというか、エンドのところは決まっているというイメージが広がっていますから、それまでに出口戦略を迎えるのかどうかは不透明です。黒田日銀総裁の続投はありませんから、この間に決着を付けようということなのだと思います。
飯田)ヘッジファンドはその辺りを目ざとく見ているわけですね。
須田)そうですね。ますます攻防は激しくなると思います。
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