子どものマスク着用は何歳くらいからするべきなのか
公開: 更新:
東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。子どもとマスクについて解説した。
子どもとマスク ~屋外ではマスクはいらない
飯田浩司アナウンサー)子どもと一言で言っても、年齢でいろいろと異なることが多いと思いますので、それぞれ伺っていきます。まず、マスクが必要な子どもは何歳くらいからでしょうか?
川上)アウトドアでは、どの年齢のお子さんでも、もう外してもいいと思います。屋内での活動に関してはそれぞれ考え方が違うと思います。
飯田)6月末に梅雨が明けて35度を超えてくるような日があり、大人だって外でマスクをつけていると、身の危険を感じるところがありますものね。
中学生以上は屋内ではマスク着用が望ましい ~運動する場合はケースバイケースで対応する
飯田)年齢を重ねて大人に近くなっていけばいくほど、大人と同じような対策が必要になってくるということですか?
川上)中学生以上になると、感染しやすくなるし、その後の症状が大人と似てきますので、屋内でよく喋るようなシーンではマスクをしていた方がいいと思います。
新行市佳アナウンサー)私の先輩のお子さんが中学生で、バレーボール部に所属しているのですが、試合中はずっとマスクをしているそうです。バレーボールは屋内競技のため体育館のなかで行いますが、苦しそうなので、お母さんたちは「外していいのではないか」と言うのだけれども、子どもたちは外さないそうです。屋内での部活動などの場ではいかがですか?
川上)体育館でやらなければいけない競技の場合、可能なら換気をよくして、自分が競技を行っているときは外す。競技が終わったら「サッ」とマスクをして応援にまわる、というようなメリハリが必要だと思います。
飯田)ケースバイケースで考えることが必要になってきますか?
川上)そうですね。子どもたちは少し指導すると、とても上手にやってくれます。
小学生の場合、屋内での授業中はマスクを着用する
飯田)小学生はいかがですか?
川上)小学生の場合も授業中、黙っているのであればいらないと思います。しかし、先生が発言を求めたり、子ども同士でお喋りをしますので、いまの時点で「教室内でも外していいよ」と言うことは、まだ難しいと思います。
飯田)屋外での授業の場合は外してもいいと。
低年齢児の場合は、基本的にマスクは着用しない
飯田)保育園や幼稚園に通う子どもはどうですか?
川上)保育園児の場合には、年長さんくらいになればかなりできるのですが、低年齢だとマスクをしていても内側からなめてしまったり、鼻が出ていたり、口元が出てしまっているお子さんもいます。また、マスクの効果以上に、危険性の方を考えなければいけません。低年齢児は園のなかで感染が流行っているなど、リスクの高い状況でなければ外していいと思います。
飯田)マスクで顔を覆ってしまうと、子どもたちの異変にも気付きづらくなることはありますか?
川上)そうですね。唇の渇きも見えませんし、顔色が悪くなっても目から上しか見えないので気付きにくいです。夏場になると、嘔吐や下痢が流行ることもあります。マスクのなかで吐いても気付かなければ、窒息の危険もあります。小さいお子さんの場合には、リスクとコロナ予防の効果を比較したときに、メリットは少ないと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます