東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。子どもの夏休みの過ごし方と新型コロナのワクチン接種について語った。
子どもには体調をいい状態に保ち、楽しい夏を過ごしてもらいたい
飯田浩司アナウンサー)新型コロナやその他の感染症の話が多く聞かれますが、子どもの夏休みの過ごし方全般を考えると、どのようなことに注意したらいいですか?
川上)いろいろな感染症が出てきましたので、コロナだけを意識するのではなく、体調をいかにいい状態に保つかという視点で管理していただくといいかなと思います。そして、子どもたちはこの2年間でだいぶ抑圧されましたから、楽しい夏を過ごしてもらえたらいいと思います。
「何をして遊ぶか」を子どもに考えさせることも大切
飯田)子どもをいろいろなところに連れていくことを、まだ躊躇する親御さんもいると思いますが。
川上)お出かけもいいとは思いますけれども、子どもにとっての楽しさ、それから将来に向けてのいろいろな経験という意味では、大人がセットアップした遊びだけではなく、「夏休みは暇だな、何をしよう」ということで、ちょっとしたいたずらを考えるなど、そういう楽しい時間があってもいいと思います。
飯田)大人が「楽しい時間を子どもに過ごさせてあげてください」と言われると、どこかに連れていかなければとか、何かイベントをつくらなければと思ってしまいがちですけれども、子どもの好きなように放っておくというのもいいのですね。
川上)脳科学の先生に言わせると、子どもが何をしようかと考えている時間の脳は、活動性が上がっているのです。大人は「ボー」としていてはいけないと考えがちですが、実は脳が活動しているそうです。ですから、子どもが自分で「きょうは何をしようか、この夏休みに何をして遊ぼうか」と考えることは、とても大切な経験になると思います。
子どもは大人より新型コロナワクチンの副反応が少ない
飯田)お子さんへの新型コロナワクチンの接種をためらっている親御さんもいらっしゃいます。
川上)子どものワクチンの副反応について、データも少しずつ出てきています。6月中旬でしたか、国の会議でもデータの途中経過が出ていましたが、大人に比べるとワクチン接種後の発熱や筋肉痛も少ないというデータが出ていました。
飯田)大人より副反応が少ない。
川上)親御さんの方々はよく、「自分が打って辛かったから、お子さんには打たせたくない」とおっしゃるのですが、それはあまり考えなくていいと思います。重篤な副反応も1例~2例はありますけれども、大きなものはないようです。
飯田)打った方がいいと。
川上)そうですね。感染した場合の後遺症とワクチンの効果を比べれば、ワクチンに期待するところはあると思います。
子どもの3回目接種について
飯田)1回目と2回目の間隔は大人と同じですよね。間隔をあけて3週間くらいですか?
川上)そうです。いま子どもはそこまでです。
飯田)今後のことを考えたときに、大人の場合はそこからまた6ヵ月あけて3回目を打ちますが。
川上)免疫学的に言えば、子どもも大人と同じように3回目接種をした方がいいと思います。ただ現在、子どもの接種率は20%くらいです。ですので、この接種率で国が3回目に踏み切ってくれるかどうかは、まだわかりません。
飯田)まずは1回目と2回目を打っていかないことには。当然、そうでなければ3回目までいかないですものね。
川上)そうですね。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます