「結膜炎」には感染しない「アレルギー性結膜炎」もある

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東京都医師会理事で「ささき眼科」院長の佐々木聡氏が7月18日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。結膜炎について語った。

「結膜炎」には感染しない「アレルギー性結膜炎」もある

※画像はイメージです

「結膜」とは目のどの部分を言うのか

飯田浩司アナウンサー)身近にあるさまざまな目の病気について伺ってまいりますが、今回は結膜炎についてです。基本的なことで恐縮なのですけれど、「結膜」と言われたときに、どこなのかイメージがつかないのですが、そもそも結膜とは何なのですか?

佐々木)目の表面を覆っている粘膜のことで、いわゆる白目と言われているのが眼球結膜です。それは、まぶたの裏側につながっていて、いわゆる「あかんべえ」をしたときに見える部分がありますが、そこが眼瞼結膜です。その2つを合わせたものが結膜です。

飯田)白目の表面と、あかんべえをしたときに見える部分の内側は、つながっているのですか?

佐々木)そうです。折り返しているのです。

飯田)そうなのですか。

佐々木)そのため、コンタクトレンズが奥に入ってしまうということはありません。

新行市佳アナウンサー)ないのですね。

佐々木)ご安心ください。

新行)よかったです。ほっとしました。

飯田)結膜炎は、そこが炎症を起こすということですか?

佐々木)そうですね。炎症ですので、ご存知のように目が赤くなって痒くなったり、痛くなったり、目やにが出たりする症状になります。

結膜炎には「感染する結膜炎」と「感染しない結膜炎」がある

新行)結膜炎が引き起こされる原因は何なのですか?

佐々木)いろいろありますが、まず1つは感染する結膜炎と、感染しない結膜炎があります。

飯田)その2つにまずは……。

佐々木)分けられます。感染しない結膜炎の代表がアレルギー性結膜炎です。感染する結膜炎としては、細菌性やウイルス性、またはそれ以外ということになります。

新行)アレルギー性ということは、埃などが原因ですか?

佐々木)そうですね。花粉症もアレルギー性結膜炎ですし、犬や猫に触ると痒くなったりする場合や、ハウスダストもアレルギーの原因になります。

「結膜炎」には感染しない「アレルギー性結膜炎」もある

新行市佳アナウンサー、佐々木聡氏、飯田浩司アナウンサー

かつては夏に多いとされていた結膜炎

飯田)子どものころ、熱も出ていないのに結膜炎になってしまうと「プールに入ってはダメ」と言われましたが、季節的なものはあるのですか?

佐々木)教科書的には、「結膜炎は8月に多い」と書かれています。咽頭結膜熱(プール熱)もありますし、はやり目など、昔は夏に多いと言われていました。

飯田)昔は。

佐々木)ただ、最近の印象では、季節に関係なく発症しているのではないでしょうか。日照時間や気温が関係すると言われていますので、地球温暖化が関係しているのかも知れません。

飯田)日照時間が結膜炎に関係すると言われているのですか?

佐々木)そのように教科書には書かれています。

接触感染で感染する「感染する結膜炎」

新行)感染する結膜炎と感染しない結膜炎があると伺いましたが、感染する結膜炎は、どのように感染するのですか?

佐々木)空気感染ではなく接触感染ですので、ウイルスや病原体が付着した手で目に触れたりすると、接触感染になります。

飯田)目を擦ってしまったり。

佐々木)そうです。

コロナ禍で結膜炎の流行も抑えられた

飯田)感染症全般について、新型コロナが流行したあと、他の感染症は流行しづらくなったということが言われますが、結膜炎はいかがですか?

佐々木)やはりそうだと思います。結膜炎に限らず、感染症は基本的に人と人との接触で感染します。コロナ禍で人と人との接触が少なくなり、他の感染症は減ったのではないでしょうか。

飯田)経路が遮断されるからということですね。

佐々木)そうですね。人と人との交流がなくなれば、ウイルスも交流できなくなってしまいます。

飯田)なるほど。よく「新型コロナが他のウイルスを駆逐したのだ」ということが言われますが、そうではないということですね。

佐々木)そうではありません。存在はしているけれども、活動の範囲が狭まっているのだと思います。

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