マスクをすることでドライアイになる「マスクドライアイ」に注意

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東京都医師会理事で「ささき眼科」院長の佐々木聡氏が7月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。最近の子どもの目の環境について解説した。

マスクをすることでドライアイになる「マスクドライアイ」に注意

※画像はイメージです

マスクドライアイ

飯田浩司アナウンサー)今回は新たな症状「マスクドライアイ」について伺います。私は初めて聞きましたが、マスクでドライアイになるのですか?

佐々木)マスクから息が漏れて、その息が目にかかってしまい、目の表面が乾いてしまうのです。

飯田)そういうことですか。でも、私は普段から眼鏡を掛けているのですが、マスクから息が漏れるとメガネが曇りますよね。曇るということは蒸気がたっぷりなので、目にいいのではないかと思うのですが、そうではないのですか?

佐々木)蒸気というより、空気の流れで乾いてしまうのです。

飯田)では、マスクの上部から空気が出ないようにしなければいけないということですか?

佐々木)マスクにはノーズワイヤーが入っていますので、そこをしっかり閉める。あとは顔に合ったマスクを使うことです。子どもさんが大人用のマスクを使っているのを見かけることがありますが、よくないですね。

パソコン作業中はドライアイに注意

新行市佳アナウンサー)他にドライアイになる原因はありますか?

佐々木)昔からよく言われていますが、パソコンの作業、VDT作業中はドライアイになることがあります。ディスプレイの位置も大事で、あまり高いところにディスプレイを置くと、目を「グッ」と見開くような形になります。そのため、ディスプレイの位置を下げて、少し見下ろすような位置がいいとされています。

飯田)オンライン会議をするときに、ディスプレイの真上にカメラがあるため、カメラを上から見下ろすと本当に上から目線に見えてしまうので立てるのですが、その位置でオンライン会議を続けるとドライアイになるということですか?

佐々木)そうですね、目を見開きますので。

マスクをすることでドライアイになる「マスクドライアイ」に注意

新行市佳アナウンサー、佐々木聡氏、飯田浩司アナウンサー

「3030」 ~30センチ以内でものを見ない、30分以上は見ない

飯田)子どもたちは夏休みに入りますが、子どもたちの目の環境、目の健康を考えると、どのようなことに気を付ければいいですか?

佐々木)いま「GIGAスクール構想」というものがあって、子どもたちの学校教育にICTを導入しようという動きが進められているのですが、コロナ禍の時代になって、オンライン授業やタブレットを使った授業など、デジタルデバイスを使う時間が増えています。

飯田)そうですね。

佐々木)デジタルデバイスは近い距離で操作しますので、目からの距離が近くなります。また、楽しいので長時間見てしまう。そういうことから近眼になる人が増えるのではないかと懸念されています。

飯田)タブレット等が配られて課題もやるのだけれども、いつの間にか課題ではないサイトなどを見ている。しかも近くで見る。あれは目に悪いですよね。

佐々木)いま、近くをなるべく見ないようにしましょうということで、眼科医会の方では「3030」と言い、「30センチメートル以内は見ないようにしましょう。30分以上は見ないようにしましょう。30分見たら20秒は遠くを見て目を休めましょう」ということを提言しています。

飯田)「3030」ですか。母親が「ファミコンは30分以内でなければダメだ」と言って、タイマーで時間を計っていたのです。あれは理にかなっていたのですね。

佐々木)時間は制限した方がいいです。ただ、「30分見て休んだら、また30分やっていいのか」と聞かれるのですが、30分見たら十分でしょう。あとは外に出て遊びましょう。

太陽に含まれる「バイオレットライト」が近視進行を抑制する

飯田)太陽光も目にはいいのですか?

佐々木)太陽光に含まれる「バイオレットライト」という光が、近視の進行を抑制することが最近わかってきました。家でスマホやタブレットを見ているよりは、外に出て太陽の光を浴びて、のびのびと遊んだ方がいいと思います。

飯田)これからのシーズンは太陽も照りますものね。

佐々木)外で遊ぶときは、感染の危険が少なければマスクは外し、熱中症に気を付けて遊んでいただきたいと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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