「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
東京駅の人気スポット「駅弁屋 祭 グランスタ東京」が、オープンから10周年を迎えます。毎日、日本各地の人気駅弁の多くが揃う風景は圧巻。鉄道利用者の減少に頭を抱えている地方の駅弁業者の皆さんのなかには、なくてはならない存在と捉えているところもあります。全国の駅弁のアンテナショップともいえる「駅弁屋 祭 グランスタ東京」で、今回は東京のご当地駅弁の数量限定バージョンを選んでみました。
今年(2022年)もいよいよ帰省シーズン。お盆期間中は昨年より多くの座席が売れているものの、コロナ禍前ほどには回復していないようです。とはいえ、これからの時代は一斉に休みを取って大混雑するより、分散して休みを取り、“そこそこの盛況”が安定して長く続く旅行スタイルへと移行していきたいところ。“ふるさとは遠きにありて……”と云われますが、“ふるさとは普段から行き来しながら見守るもの”へと変わってきているようにも感じます。
各新幹線の始発駅・東京駅の「駅弁屋 祭 グランスタ東京」が、平成24(2012)年8月9日の開店から丸10年を迎えます。前身の「駅弁屋旨囲門」をリニューアルする形で、“毎日が駅弁まつり”をコンセプトに誕生。いまや東京駅にはなくてはならない人気スポットになりました。全国の駅弁屋さんから毎日150種を超えるバラエティ豊かなご当地駅弁が、さまざまな輸送手段で届けられて陳列され、“日本一の駅弁店”とも云われます。10日まで、10周年を記念してJRE POINTに登録したSuicaで駅弁等を購入すると、JRE POINTが「10倍」貯まるキャンペーンも行われています。
新幹線の旅に欠かせない東京の駅弁と言えば「チキン弁当」。昭和39(1964)年の誕生以来、人気のロングセラー駅弁となっています。そのチキン弁当に、クリスマス版・春色版に続く季節バージョンの第3弾として、7月21日から「夏チキン弁当」(950円)が、数量限定で新登場しました。青い海のパッケージに“トリさん”が波乗りをするイラストが描かれていて、私たちを夏の旅へと誘ってくれます。
【おしながき】
・カレー風味の炊き込みご飯 揚げ茄子煮 ヤングコーン グリンピース パプリカ ドライトマト
・鶏の唐揚げ
・鶏の唐揚げ(ピリ辛たれ和え)
・ピリ辛フライドチキン
・煮玉子
・野菜のピクルス
長年、期間限定版のチキン弁当でもトマト風味ライスが定番でしたが、今回は大変身! ご飯にカレー風味の味付けが施され、揚げ茄子やヤングコーン、パプリカや煮玉子が載り、華やかな夏の雰囲気が感じられます。さらに鶏の唐揚げにも、ピリ辛チキンと韓国風ピリ辛たれ和えチキンが加わって、スパイシーな味わいとウキウキ感で気持ちが上がります。JR東日本クロスステーションフーズカンパニーによると、お盆期間はまだまだ楽しめるそう。なお、今回はレギュラーのチキン弁当も併売していますので、食べ比べもできますね。
先日、週末の伊豆へ向かう特急「踊り子」号に揺られると、ほぼ満席の盛況ぶりでした。東京駅で買い求めた駅弁を召し上がっている方も多く、少しずつ普通の夏に戻っている風景はとても嬉しいものです。青くてスパイシーな夏チキン弁当を片手に出かけてみたい夏の鉄道旅。出かけた先には、東京駅では見かけることのできないご当地の味がギュッと詰まった駅弁が待っています。「駅弁屋 祭 グランスタ東京」で美味しい駅弁に出逢ったら、今度はぜひその駅弁のふるさとへ自分の足で訪ねてみてください。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/