キノコの見分け方の嘘 「地味な色をしたキノコは食べられる」は迷信

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が10月3日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。毒キノコの見分け方の嘘について解説した。

※画像はイメージです

年間を通して最も多いのは「秋の食中毒」

新行市佳アナウンサー)意外と秋に多い食中毒について伺います。食中毒は夏に多いのではないかと思っていたのですが。

森田)「気温も湿度も高い真夏に食中毒が多い」と思われがちですが、年間でいちばん発生件数の多い時期は秋なのです。

新行)なぜでしょうか?

森田)おそらく夏バテのために体力が落ちたり、寒暖差もあって体調を崩しやすい。また、行楽シーズンですのでバーベキューやお祭り、屋外での食事が増えることも影響しているのではないかと思います。

食用と判断できないキノコは「採らない、食べない、人にあげない」

新行)どんな種類の食中毒が多いのでしょうか?

森田)厚生労働省がまとめる過去の食中毒発生状況を、2016年~2020年のデータをもとに解析してみますと、1位はカンピロバクター(433件)で、細菌によるものですね。2位がアニサキス(418件)で、寄生虫によるものです。3位は植物性自然毒、いわゆる毒キノコなどによるものです。

新行)なるほど。

森田)秋はキノコ狩りや山菜狩りが行われますので、天然の植物を採取して食べることが原因となる、植物性自然毒の食中毒が多くなります。植物性自然毒はキノコと高等植物に大別されます。キノコでは、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、テングタケ、イボテングタケなどによる食中毒が有名で、毒キノコ全体の約7割を占めています。また、9割が秋に発生しています。

新行)ほとんどが。

森田)食用と判断できないキノコは絶対に「採らない、食べない、人にあげない」ということが大事です。

森田豊氏、新行市佳アナウンサー

キノコの見分け方の嘘

森田)東京都福祉保健局が「キノコの見分け方のウソ」を報告していて、多くの迷信にダメ出しをしています。いくつか取り上げてみますけれども、例えば、「地味な色をしたキノコは食べられる」というのは嘘です。

新行)そうなのですか?

森田)昔からよく言われていますよね。

新行)毒キノコはおどろおどろしい色をしていて、「見るからに毒、悪そう」というイメージがあります。だから地味な色のキノコは安全なのだろうと思い込んでいました。

森田)それは迷信であり、医学的根拠はないということです。あと「柄が縦に裂けるものは食べられる」というのも迷信のようです。「虫が食べているキノコは食べられる」というのも嘘。「ナスと一緒に料理すれば食べられる」というのも嘘です。

新行)そんな迷信もあったのですね。

森田)迷信自体、知らなかったですね。さらに、「干して乾燥させれば食べられる」というのも嘘だそうです。

毒性のあるスイセンとニラの違い

新行)植物性自然毒はキノコと高等植物に分けられるということですが、高等植物とは具体的にどんなものですか?

森田)有名な高等植物の1つに、スイセンがあります。見ただけではニラと区別するのが難しい。

新行)写真が手元にありますが、似ていますね。

森田)見ただけではほとんどわかりません。スイセンには有毒成分のガランタミンが含まれていて、食べると嘔吐や下痢などの症状が出たり、最悪の場合は命を落とすこともあります。

新行)死に至ることもあるのですね。

森田)ニラの葉には特有の匂いがありますが、スイセンの葉にはニラのような匂いはありません。ただ、匂いだけで区別することは難しいので、ニラはお店で買うのが安全です。

図鑑の写真と比べて判断しないこと

森田)東京都福祉保健局が注意していますが、図鑑の写真や絵と比べて、勝手に「これは大丈夫、大丈夫ではない」と判定しないようにするということです。見た目だけではなかなか区別できないのだと思います。

新行)見た目だけで「これはきっとこのキノコだろう」と判断し、採ってしまうのは危ないですね。

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