国民病とも言われる「慢性腎不全」になってしまったら

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東京都医師会理事で「三軒茶屋病院」院長の腎臓専門医、大坪由里子氏が10月26日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「急性腎不全」と「慢性腎不全」について解説した。

国民病とも言われる「慢性腎不全」になってしまったら

※画像はイメージです

慢性腎不全と急性腎不全

新行市佳アナウンサー)今回は慢性腎不全と急性腎不全について伺います。

脱水から起こる「急性腎不全」

大坪)急性腎不全は、腎臓の機能が急激に低下した状態を言います。主なものとしては、脱水のようなものです。熱中症や下痢・嘔吐を激しく繰り返して、お水も飲めないような状態で数日間過ごしてしまうと、高度な脱水症状になり、それが原因で急性腎不全になることがあります。

新行)熱中症で急性腎不全になることがあるのですね。

大坪)血流が豊富な臓器ですので、血流が途絶えることによって機能が途絶してしまうことがあります。

新行)熱中症もですが、胃腸炎などのときも水分補給をしなければいけないのですね。

大坪)水も飲めないし、お腹も壊してしまったときは、点滴で水分補給しなければならないのではないかと思います。

国民病とも言われる「慢性腎不全」になってしまったら

大坪由里子氏、新行市佳アナウンサー

「国民病」とも言われる「慢性腎不全」

新行)続いて、慢性腎不全はいかがでしょうか?

大坪)慢性腎不全は、慢性的に腎臓に炎症が起きる。あとは糖尿病や高血圧などの基礎疾患がジワジワと腎臓に影響を及ぼして、徐々に腎臓の機能が失われていくことです。

新行)最近は「国民病」とも言われますが。

大坪)腎臓は気付いたときには悪い状態になっている場合が多いのです。潜在的に腎臓の機能が少し低下しているという方は、8人に1人いると言われています。

新行)8人に1人ですか。

大坪)そのような方が、症状が出るまで見つからない状態でいると、見つかったときには透析しなければいけないような末期の状態になってしまっていることがあります。腎機能が少し下がっている初期に見つけることが重要視されています。

新行)初期の段階で。

大坪)検診を受けて腎機能の低下が判明したら、かかりつけの先生から腎臓の専門医の先生を紹介していただき、その先生にも診ていただくのがいいと思います。

慢性腎臓病(CKD)ネットワーク ~内科の先生と腎臓専門医に診てもらえる

大坪)東京都では慢性腎臓病(CKD)ネットワークというネットワークづくりが始まっていて、地域によってはできているところもあります。内科のクリニックの先生がご自分で診ていらっしゃる患者さんの腎臓について、腎臓専門医に相談するということです。

新行)内科の先生が。

大坪)普段はかかりつけの先生に診ていだたき、3~4ヵ月あるいは半年に1度、腎臓の先生にも腎臓を診てもらうのです。「2人主治医制」のような形で併診していただけるので安心です。いま東京でもネットワークづくりが広がっているところですので、ぜひ利用していただきたいと思います。

新行)かかりつけの先生と腎臓専門医の先生とのネットワークができているのですね。

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