「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
いよいよ11月15日で上越新幹線(大宮~新潟間)の開業から40年。新潟駅の駅弁屋さんは、新作の「とりめし弁当」を記念駅弁として発売しました。駅弁各社で作られているとりめしですが、新たに開発する上で、いったいどのような点にこだわったのでしょうか?
上越新幹線開業40周年! 記念駅弁の旅(新潟・新潟三新軒編)
上越新幹線(大宮~新潟間)が開業40周年。久しぶりに登場時の新幹線・200系カラーが復刻された編成が上越国境に挑みます。40年前、上越新幹線が開業した際には、停車駅の少ない列車が「あさひ」、各駅に停まる列車が、「とき」という愛称になりました。その後、新潟発着の列車が「あさひ」、高崎・越後湯沢発着の列車が「たにがわ」となり、「とき」は一度消滅しましたが、佐渡のトキの復活に合わせるように愛称も復活しました。
新潟の駅弁屋さん4社の共作による上越新幹線開業記念駅弁のトリを飾るのは、新潟三新軒の「上越新幹線開業40周年記念弁当」(1200円)。訊けば、弁当のなかも、「とりめし弁当」なんだそう。こちらの掛け紙も、40周年の文字が大きく入り、会社名が駅名標を模したデザインとなっていて、「Maxとき」の朱鷺色のゴムで掛け紙が留められています。記念弁当としては、今年(2022年)いっぱいの販売が予定されています。
【おしながき】
・ご飯(新潟県産コシヒカリ)
・鶏もも肉照り焼き
・鶏そぼろ煮
・玉子そぼろ
・紅生姜
・枝豆
ふたを開けると、ご飯の上に鶏そぼろ・玉子そぼろが敷かれ、その上に照り焼きが載った華やかでシンプルなこれぞ“とりめし駅弁”。製造する新潟三新軒によると、約1年前から「とりめし」駅弁の開発に取り組んでいたそうで、こだわりは、鶏肉の照り焼きと鶏そぼろ。とくに鶏そぼろは何度も試作を繰り返し、オリジナルのたれで焼き上げた鶏肉やご飯との相性、バランスがベストのものを選んだと言います。確かにユニークな味わいですね。
上野~新潟間を結んでいた特急「とき」は、昭和40年代の終わりに、豪雪に見舞われて運休が相次ぎました。この経験などを踏まえ、上越新幹線は、「雪に強い新幹線」として開業、いまも冬場の安定的な輸送に貢献しています。間もなく訪れる雪の季節は、上越新幹線が本領を発揮する時期です。豪雪を乗り越え、太平洋と日本海を直結して40年。新幹線によって、日本列島はどう「改造」されたのか、思いを巡らせたい秋です。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/