2~3日の入院でも起こる「エコノミークラス症候群」の原因と治療法
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東京都医師会理事で河北総合病院・理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が12月1日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。下肢の静脈疾患の「血栓症」について語った。
足にできる血栓症
飯田浩司アナウンサー)今回は下肢の静脈疾患のなかの「血栓症」について伺います。どういう病気なのでしょうか?
新井)血栓症とは、血管のなかに血の塊ができる病気です。血の塊は静脈だけでなく、血管のなかであればどこにでもできるわけです。
飯田)動脈にも。
新井)動脈にできた血栓には、脳塞栓や脳血栓などの大きな病気もありますが、今回は足の静脈にできる血栓症についてお話しします。
いつもとは違う筋肉痛のような痛み
飯田)血栓ができると自覚症状はあるのでしょうか?
新井)脚がむくむ、痛むなどの症状が出ると思います。
飯田)どのような痛みですか?
新井)押すと痛い、動かすと痛い、動かさなくても痛い……そういう痛みです。
飯田)筋肉痛のような痛みですか?
新井)いつもの筋肉痛とは違う痛み、という感じでしょうか。
足の血栓が剥がれて肺に飛んで詰まってしまう「肺塞栓」 ~エコノミークラス症候群
飯田)何が原因で起こるのですか?
新井)寝たきり、あるいは病院に入院して手術を行い、2~3日寝たままになって、血液の流れが滞ったときになることがあります。また、飛行機に長時間乗って、足を動かさないときにも起きることがあります。災害時の避難所などで、運動量が減っている場合にも起きやすいですね。
飯田)ひところ話題になった「エコノミークラス症候群」が当てはまるでしょうか?
新井)そうですね。足の静脈に血栓ができ、それが剥がれて、心臓の方に飛んで肺に詰まってしまい、突然倒れてしまう。これが「エコノミークラス症候群」です。「肺塞栓」と言います。
飯田)足の血栓というのは、命に係わる可能性をはらんでいるわけですか?
新井)おっしゃる通りですね。
足をよく動かし、血液が滞ることがないようにする
飯田)予防するにはどうすればいいのですか?
新井)足の血液を滞らせないようにすることです。足をよく動かすといいですね。術後で寝ていなくてはならない、あるいは飛行機に乗っていて運動できないようなときには、ストッキングを使って足を圧迫し、血液が滞らないようにすることが大事です。
飯田)コロナ禍でテレワークが増えると、座ったままになり、そういうことに悩まされる人も増えるかも知れませんね。
新井)長時間のデスクワークでも、脚はうっ血しますので、ときどき足を動かしていただくといいと思います。
膝から上にできた血栓の場合は血が固まらないよう投薬治療が必要
飯田)既にできてしまったものに関して治療していくとなると、どういう方法が考えられますか?
新井)膝の上にできたものは、肺の方に飛んでいく可能性がありますので、お薬を飲んでいただく必要があります。早期発見した場合は、血液が固まらないようなお薬を3ヵ月~6ヵ月くらい飲んでいただきます。
飯田)膝の上にできたものは。
新井)膝の下の方にできた場合は、お薬を飲む必要はないのですが、できた血の塊が大きくなり、膝の上の方までいってしまうこともあるため、定期的に診察してもらってください。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます