「解散総選挙」は負けるから「しない」のでは 高橋洋一が予測
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数量政策学者の高橋洋一が1月11日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の岸田政権について解説した。
萩生田政調会長「増税するならば、解散して信を問うべきだろう」 ~政局になる可能性も
飯田)2023年の岸田政権についてですが、最近は解散総選挙についての話も、ちらほら与党幹部からも出てきています。
高橋)昨年(2022年)、冒頭解散の話をしましたが。
飯田)通常国会冒頭で解散すれば、という。
高橋)可能性はほとんどないのですけれど、そんなことをみんなが思ってきたのではないでしょうか。
飯田)萩生田政調会長が「増税するならば、解散して信を問うべきだろう」と発言した。また1月10日には、公明党の山口代表から「解散というのは軽々に言う話ではない」というような苦言がありました。
高橋)解散は総理の専権事項ですからね。でも萩生田さんが言っているということは、政局になるかも知れないなという気もします。
「負けるから」解散しない
飯田)実際はどうですか?
高橋)予算があるからなかなか解散しづらいのですよ。私は「暫定予算を組めばいい」と簡単に言ってしまうけれども、そうではないという人が多いわけです。
飯田)「そんな簡単なものではない」という話ですか?
高橋)いや、簡単です。「やればいいのに」と思うのだけれど、岸田政権から見ると、負けてしまうからやらないのでしょうね。綱引きでしょうけれども、年明け改造の話もなくなってしまったし、何もなくなってしまった。
飯田)当時の秋葉復興大臣が交代となり、閣僚の交代は4人目です。事実上の更迭になりました。あのとき、さすがに4人目まで更迭というわけにはいかないから、「年明けに改造」という話がありました。
政局の波が一気に立つ可能性も ~防衛費の財源確保法案
高橋)話にはありましたが、泥舟のようになっているから、各派閥としては人を出すのも嫌だというような話もあります。いろいろな話があって、表面的には穏やかですが、意外にわからないですよね。
飯田)一気に政局の波が立つかも知れない。
高橋)立つときには立ちますよね。防衛費の財源確保法案のようなものが出るなどという話があるでしょう。ついに出てしまうのですよね。
飯田)出ますか?
高橋)そこに増税の話が書いてあるはずなのです。
飯田)財源確保法案のなかに。
高橋)ロジカルには、他の財源があれば増税しなくていいはずなのに、どうもそういうことにはなっていませんからね。
「絶対に増税したい」という意志の表れ
飯田)歳出の削減とともに「恒久財源を見つける」というのが法律の趣旨だとされていますが。
高橋)歳出の削減は全省庁を敵に回すから、防衛省の人たちは嫌なのです。やれば結果的に一律カットになるでしょう。一律カットになると、小さい予算はカットされるから、維持できなくなってしまい、みんな大変になります。だから「埋蔵金でやればいい」と言っているのですが、やらないでしょう。不思議ですね。
飯田)そうなると「歳出カットできなかったため、税源は増税しかありません」という方向に持っていく。
高橋)持っていくのでしょうね。予算などいくらでもあって、要するに建設国債の対象経費など、防衛省は1つもなかったのだけれど、それを入れて膨らませるだけで何とかなるのです。少しの数字のところでも増税にこだわるわけでしょう。増税にこだわって、法人税と所得税とたばこ税を対象とした。所得税は批判が大きいのでどうなるかわかりません。復興の話に関する増税はまずいのではないかと思います。
飯田)復興特別所得税を付け替えるというような話だから、いくら何でも。
高橋)最後は酒税などに向かうのです。酒税もたばこ税も財務省の所管だけれど、「絶対に増税したい」という意志の表れです。
飯田)税目は何でもいいから、増税したいという。
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