「早く老眼になる人」はこんな人
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東京都医師会代議員会・議長、世田谷区医師会会長で「三軒茶屋眼科」院長の窪田美幸氏が1月23日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。老眼のしくみについて語った。
遠視の人は早く老眼になる
新行市佳アナウンサー)老眼について伺います。老眼が出てくる年齢は、まわりの話を聞いていると、40歳の人もいれば50歳を過ぎてから発症する方もいるようです。人によって「遅い、早い」の違いはあるのでしょうか?
窪田)あります。老眼は目の屈折度によって発症時期が変わってきます。もともと近視だと発症が遅く、遠視だと早いと言われています。私事ですが、私は強度遠視なのです。若いころは2.0くらい見えていたのですけれども、老眼は35歳ぐらいから始まりました。
新行)遠視の方は比較的早い年齢でなりやすいということですか?
窪田)そうです。
新行)近視の人が老眼にならないわけではないのですか?
窪田)近視の人はメガネなしで近くが見える場合があるので、それを「老眼ではない」と勘違いしている人はいらっしゃいますが、皆さん必ず等しく老眼はやってきます。
老眼に男女差はない
新行)男女差はあるのでしょうか?
窪田)男女差はありません。
新行)遺伝はいかがですか?
窪田)遠視の方の場合、ある程度は遺伝しますので、そういう意味では遺伝に左右される部分はあるかも知れません。
コンピューターを長時間使うことで老眼になることはない
新行)老眼になりやすい生活習慣はあるのでしょうか?
窪田)老眼は体の老化からくるものです。全身的に老けている人は、やはり老眼が早く進む可能性が高いです。
新行)全身的に老けている人。
窪田)喫煙する方は老化が早いので、老眼も早いと言われています。よくコンピューターを長時間使ったり、暗いところで本を読んでいると老眼が進むのではないかと言われますが、正しくコンピューターを使う際、あるいは本を読む際に気をつければ老眼が進むことはないと思います。
新行)ずっと座りっぱなしでコンピューターを長時間使っていると、老眼になりやすいのかなと思っていたのですが、そうではないのですね。
窪田)そうですね。
老眼のメカニズム
新行)老眼のメカニズムを教えていただけますか?
窪田)目の機能は、カメラに例えるとレンズがあり、そのレンズが水晶体と言われている部分です。レンズを支えている毛様体筋という筋肉が伸び縮みし、レンズを厚くしたり薄くしたりしてピントを合わせます。
新行)毛様体筋によって。
窪田)その筋肉の力が弱ったり、あるいはレンズ(水晶体)が加齢とともに硬くなるため、厚さが変わりにくくなることで老眼が起きます。
新行)例えば毎日、顔周りの筋肉を活発に動かすと、老眼の発症が遅れることはあり得るのでしょうか?
窪田)少しはあると思います。筋肉を緊張させたり緩めたりする訓練があるのですけれども、それを行うと多少はよくなります。ただ最終的には、やはり老眼は避けられないと思います。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます