東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が2月20日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小林医師の学生時代について解説した。
『上機嫌の習慣 自律神経の名医がおすすめする』
飯田浩司アナウンサー)先生は医療について、特に自律神経について数多くの著書を執筆しています。2月に『上機嫌の習慣 自律神経の名医がおすすめする』という新たな本を刊行されました。本の冒頭にある「はじめに」のところでメッセージが書かれており、学生時代の生活やご苦労などから入られています。
小林)学生時代は中学から大学まで「野球とラグビー」という感じでした。当時は『巨人の星』の時代なので、千本ノックが行われるような時期でした。このころはスポーツが好きだとか、楽しいなどと思ったことは1回もありません。毎日、「きょうはどうしたら生き延びられるだろうか」と思いながら過ごしていました。
飯田)それほどのストレスのなかで過ごしていたのですね。
小林)野球にしてもラグビーにしても、強いチームだったので、練習量が多かったのです。中学のころの野球は、その辺りの高校よりも練習量が多いと言われていました。休みは正月の三が日だけで、あとはすべて朝練があったのです。
飯田)休みはお正月の3日間だけ。
小林)真冬でも朝6時ぐらいから練習が始まります。そのような状況でしたから、自分の人格形成には大きく影響したと思います。そして高校3年のとき、母親が膵臓癌になり46歳で他界したのですが、それも影響して医療の道へ入ったのだと思います。
飯田)思春期にスポーツでそれだけ厳しいところにいるとなると、体調などにも影響するのでしょうか?
小林)いまはいろいろなスポーツ選手を見させていただきますが、そのころの経験がなければ、おそらく彼らにも伝わらないと思います。スポーツの基本部分の精神的なものや、肉体的なものが理解できていないと、いくら話しても伝わらずに心を開いてもらえないのです。いまとなってはいい財産になっています。
「不平不満」を言うことの無駄 ~必要なのはポジティブ思考
新行市佳アナウンサー)今回出版された本は『上機嫌の習慣』というタイトルですが、このようなテーマで本を書かれたのはなぜですか?
小林)学生時代から厳しい生活をしていたり、医者になってからも厳しい生活だと、やはり「不平不満」が出てくるのです。しかし、それは何の役にも立ちません。
飯田)不平不満を言っても。
小林)よく「ポジティブ思考」と言いますが、不平不満を言うことで物事が変わればいいのですけれど、変わりません。
飯田)そうですね。
小林)それであれば、明るく前向きに上機嫌でいた方が、物事はすべていい方向に行きましたね。「辛くても上機嫌でいよう、辛くても笑顔でいよう」という方がいいのではないかという思いから、このような本を書かせていただきました。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます