高齢者は新型コロナ「5類」移行後もワクチン接種するべき 東京都医師会会長・尾﨑治夫

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が3月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。今後の高齢者の新型コロナ対策について語った。

高齢者は新型コロナ「5類」移行後もワクチン接種するべき 東京都医師会会長・尾﨑治夫

※画像はイメージです

3回目のワクチン接種をしていない高齢者の人は5月8日までに打って欲しい

飯田浩司アナウンサー)今回は高齢者の皆さんのコロナ対策について伺います。今後、高齢の方はどのような生活をしていけばいいのでしょうか?

尾﨑)大切なことはワクチン接種をしているかどうかだと思います。ワクチンを3回打っていない方は、まだ5月8日まで打てますから打っていただきたいです。

飯田)新型コロナが5類に移行する5月8日までに。

尾﨑)また、高齢者の方はできた抗体が若い方よりも落ちやすいので、多い人だと6回目になると思いますが、5月8日以降にもう1度打っていただく。医療従事者も打つことになりますが、やっておいた方がいいですね。

高齢者で抗体を持っている人は20%台

飯田)ワクチンを打つのは、抗体をつくることが目的です。一方で、感染することによっても身体のなかに抗体が残ると言われますが、感染して抗体を持っている方はどのくらいいるのですか?

尾﨑)感染した人にはN抗体ができ、ワクチンを打った方にはS抗体ができます。

飯田)それぞれ。

尾﨑)第8波が落ち着いてきたころに、全国で献血された血液を利用して抗体がどのくらいできているかを調べたら、日本全国では42.3%の方が陽性でした。少なくとも4割以上の方が日本全国で感染したことになります。特に沖縄や九州周辺は6割くらいの方が感染しています。

飯田)沖縄などでは。

尾﨑)40歳未満の方は、5割~6割くらいの人が抗体を持っていたということです。ですから若い方は、少なくともしばらくの間は感染しにくい状況になっているのだと思います。

飯田)若い人は。

尾﨑)ただ、逆に高齢の方は20%台に落ちます。そういう意味では、ワクチンで補強する必要があると思います。

高齢者は新型コロナ「5類」移行後もワクチン接種するべき 東京都医師会会長・尾﨑治夫

尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

ワクチンを5回打っている人は高齢者でも重症化する人は少ない

飯田)データで見ても、高齢の方々はワクチンを打った方がメリットが大きいのですね。

尾﨑)うちのクリニックでも、ワクチンを5回打った方で、第8波で感染した人はたくさんいます。でも、要介護状態になっていないような方ですと、ちょっとした風邪くらいで終わる方がほとんどです。

飯田)軽い症状で済む人が多い。

尾﨑)高齢者の方すべてが危険なわけではなく、やはり比較的元気で、ワクチンをきちんと打っている方であれば、中等症や重症になった人はいませんでした。ワクチンを打っておくことは大事ですし、逆に言うと高齢者施設などにいる方、寝たきりに近い方は免疫力が落ちているので、どうしても重症化しやすい流れになってしまいます。

「抗体のない高齢者をどう守るか」が今後の課題 ~ワクチンを打っても約1割の高齢者にはS抗体がない

飯田)よく「ワクチンを打ったのになぜ感染したのだ」と言う人がいますが、ワクチンを打っていれば重症化や中等症になりにくいということですね。

尾﨑)高齢者施設でS抗体を調べてみると、ワクチンを4回~5回打っていても、約1割の方は抗体がないということがわかってきました。

飯田)約1割の人が。

尾﨑)クラスターなどが起きて感染が拡がると、こういう方が重症化して命にかかわってきます。ですから、今後はワクチンを打っても抗体が上がっていない人が感染しないようにする政策が大事ではないでしょうか。

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