秋田・大館の名物駅弁・鶏めし弁当のご飯を使ったユニークないなり寿司が、新たな3つの味に!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

3種の鶏めしいなり

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駅弁の定番メニューの1つ、「いなり寿司」。全国の駅弁屋さんでは、駅弁の草創期から助六寿司などと合わせて作られてきました。この伝統は、時代とともにアップデートされて、いまも各社で受け継がれ、さまざまな駅でさまざまな味の「いなり寿司」を楽しむことができます。秋田・大館には、「鶏めし弁当」という名物駅弁がありますが、この鶏めし弁当のご飯を使って作られているいなり寿司は、ちょっとユニークな存在です。

E751系電車・特急「つがる」、奥羽本線・白沢~陣場間

E751系電車・特急「つがる」、奥羽本線・白沢~陣場間

秋田~青森間を走る特急「つがる」号が、身軽な4両編成で秋田・青森県境の矢立峠を越えていきます。この矢立峠には、日本三大美林の1つとして知られる「天然秋田杉」がいまも残っているのだそう。秋田杉は年輪幅が揃い、木目が細かく強度に優れて、狂いが少ないことから、古くから住宅用の建築材として重宝されてきました。大館の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」や「秋田杉桶樽」の原材料などにも活用されていると言います。

(参考)大館市ホームページ

3種の鶏めしいなり

3種の鶏めしいなり

そんな秋田杉の恵みを活かして作られているのが、大館駅弁・花善の鶏めし弁当です。調理場では、鶏肉の煮汁で炊き上げられたご飯が、秋田杉のお櫃で冷まされています。このご飯を使って、令和2(2020)年から作られている「3種の鶏めしいなり」(630円)が、今年(2023年)4月20日からリニューアルされました。もともとは花善とパリ花善の共同開発でできた駅弁。トリコロールと呼ばれる、フランス国旗にちなんだ掛け紙が目を引きますね。

3種の鶏めしいなり

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【おしながき】
・鶏の甘辛煮とそぼろ玉子のいなり
・鶏そぼろと紅生姜のいなり
・蒸し鶏と小松菜の梅肉和えいなり
・枝豆の蒲鉾(秋田・大館産枝豆使用)
・ガリ

3種の鶏めしいなり

3種の鶏めしいなり

ふたを開けると、彩りのよさはそのままに、鶏肉が3つの味で楽しめるいなり寿司にリニューアルされていました。花善によると、「鶏めしとの相性を考えた食材」を活かした自信作とのこと。定番の鶏めし弁当と同じ組み合わせはもちろん、ひと手間掛けて、鶏のささみと小松菜を梅肉で和えたいなりは、程よいサッパリ感が、心地よく食欲をそそってくれます。大館、秋田、新青森など各駅で販売中です(予約は購入2日前までに電話にて受付)。

キハ110系気動車・普通列車、花輪線・大館~東大館間

キハ110系気動車・普通列車、花輪線・大館~東大館間

大館駅を発着する花輪線は、去年(2022年)8月の大雨による被害のため、大館~鹿角花輪間で運転を見合わせていましたが、今年(2023年)5月14日から、約9ヵ月ぶりに、運転を再開しています。列車本数は決して多くありませんが、のどかなローカル線の旅を駅弁とともに楽しめる路線です。そろそろ夏のお出かけを考えている方も多いと思いますが、復旧した路線の応援も兼ねて、花輪線の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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