夏の紫外線の下でも起こる「雪目(雪眼炎)」の怖さ

By -  公開:  更新:

東京都医師会理事で「ささき眼科」院長の佐々木聡氏が7月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。紫外線によって発症する目の病気について語った。

夏の紫外線の下でも起こる「雪目(雪眼炎)」の怖さ

※画像はイメージです

夏の砂浜でも起こる「雪目(雪眼炎)」 ~目の表面が日焼けでただれる

飯田浩司アナウンサー)今回は、この時期に注意したい目の病気について伺います。6月末くらいから日差しが強くて眩しいのですが、紫外線は目にも悪いのですよね?

佐々木)紫外線、光は放射線ですので、細胞にとっては悪いです。日焼けもそうです。

飯田)私の子どもが小学3年生で少年野球をやっていて、そのコーチを務めているため、練習も試合もずっと外にいるのですけれど。

新行市佳アナウンサー)焼けましたね。

飯田)焼けました。目も焼けるのですか?

佐々木)冬にスキー場でゴーグルをしないでいると、雪の照り返しで目の表面が日焼けを起こし、「雪目(雪眼炎)」になる場合があります。それと同じことが夏の砂浜などでも起こるのです。目の表面が日焼けでただれてしまう。

飯田)ただれてしまうのですか。

佐々木)症状としては、ゴロゴロして充血します。しかし、結膜炎のように目やにが出ることはありません。

紫外線にさらされることで発症する「翼状片」と「瞼裂斑」

飯田)昨今、外を歩いているだけで「日差しが強いな」と感じますが、日常の外出だけで雪目になる可能性はありますか?

佐々木)雪目のような強い日焼けにはなりませんが、長時間、特に外で作業される方の現象としては「翼状片」という病気があります。また、「瞼裂斑」という病気も紫外線に関係すると言われています。

新行)それぞれどういう病気なのでしょうか?

佐々木)瞼裂斑とは、瞼裂(上下まぶたの合わせ目)にできる斑点状のものという意味です。黒目の両脇、時計の針で言うと3時と9時の位置ですが、白目と黒目の境目に少し盛り上がった組織が出てくるのです。よく見ると少し盛り上がって、黄色みがかっているような方がいらっしゃいます。

飯田)眼球はなめらかなイメージですけれど、突起が出ることもあるのですね。

佐々木)黒目の少し外、白目側に出ますね。

良性腫瘍の一種である翼状片 ~黒目の表面を覆ってしまうので、ある程度の大きさになったら手術が必要

佐々木)逆に翼状片は、形状が翼のような状態です。主に鼻側から出てきて、黒目のなかにどんどん入ってくるのです。

飯田)黒目のなかに。

佐々木)良性腫瘍の一種ですが、あまり内側に入ってくると黒目の表面が覆われ、見えなくなってしまいます。そうなる前に、ある程度の大きさになったら手術で取らなければなりません。

夏の紫外線の下でも起こる「雪目(雪眼炎)」の怖さ

新行市佳アナウンサー、佐々木聡氏、飯田浩司アナウンサー

治療する必要はない瞼裂斑

新行)翼状片は手術で取るということですが、瞼裂斑の治療はどうなるのですか?

佐々木)瞼裂斑の治療はいりません。なかに入ってくることもありませんし、特に邪魔することはありません。見た目だけの問題で気にする方もいらっしゃいますが、切除する必要はないです。あってもそのまま放っておく。

飯田)瞼裂斑そのものに自覚症状はないのですね。

佐々木)全然ないですね。

翼状片も自覚症状はほとんどない

飯田)一方で、翼状片に自覚症状はあるのでしょうか?

佐々木)こちらも通常、ほとんど自覚症状はありません。ただ、大きくなってくると最終的には黒目を覆ってしまうので、そうなる前に取らなければいけない。

飯田)そのくらい大きくなってくると、見えづらくなるのでしょうか?

佐々木)目の前にフィルターが掛かるような感じになります。

飯田)なるほど。

佐々木)ただ、そうなってしまっては遅いのです。黒目の中心に届く前に取らないと、濁りが残ってしまいます。

飯田)検診(健診)で確認することが大切ですね。

佐々木)大きさを記録しておいて、大きくなっていることがわかったら、大きくなる前の安全な状態で取っておいた方がいいです。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

Page top