元プロサッカー選手で上級食育アドバイザーの小泉勇人さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。毎日の食事を見直したことで起きた体の変化や、「鶏ハム」「鶏水晶」などSNSでバズッたレシピを紹介した。
小泉勇人さんは、ポジションはゴールキーパーで鹿島アントラーズ、ザスパクサツ群馬、ヴァンフォーレ甲府などを経て、2023年2月に引退を発表。コロナ禍に取り組み始めた料理をきっかけに、引退後は料理研究家顔負けの腕前と食に関する知識をSNSで発信。
アスリートフードマイスター3級や上級食育アドバイザーなど、食に関する6つの資格を取得し、レシピ本『元プロサッカー選手が教える いくら食べても太らない罪悪感ゼロごはん』(宝島社)も発売。SNS総フォロワー数は25万人を超えている。
実は料理が嫌いだった
上柳:料理に関しては、いつ頃から興味を持たれたんですか?
小泉:2~3年くらい前で、ちょうどコロナ禍の時です。
上柳:コロナ禍ではいろんな事が制約され、部屋にいることも多くなりましたよね。
小泉:そうですね、外食もそんなに行けないから料理をしようと。あと、お給料の問題もありました。
サッカー選手は、試合に出て勝ったり負けたり、その辺のインセンティブがあるんですが、試合が無いとこれが無くなってしまうわけです。なので、お金の不安もありつつ、自分で料理をしてみたんですが、すごく自分の体が良くなっていったんです。
これはとても価値があることだし、続けてやってみようとなりました。
上柳:コロナ禍で料理を始めたということですが、それまでは、自炊はされていたのですか?
小泉:ちょくちょくはしていたと思うんですけれど、とにかく食べられればいいよね、みたいな。冷凍チャーハンを炒めて、『これだけじゃ栄養が足りないな』ということで、納豆を入れたり、野菜や肉を突っ込んだり。それでどうにか、栄養価だけは保つ感じでした。
上柳:そんな小泉さんが、今ではレシピ本を出すほどになったわけですよね。
小泉:料理が嫌いだったので。実は、今でも好きじゃないんですよ(笑)
上柳:そうなんですか?
小泉:「料理嫌いでも作れる料理」とか、「料理嫌いのうつわ好き」というのをテーマにしていまして。盛り付けとか、器の並べ方とか、僕はアートだと思って楽しんでいます。
自炊で、体も性格も変わった
上柳:料理をしたことで、ご自分の体が変わったということですが、どんな変化があったんですか?
小泉:これは感覚的なものなんですが、自分の体が軽くなったんです。「軽くなる」というのは体重とかではなく、胃の中のものがしっかり消化されている感じです。体が軽やかに動くので、体が重い、だるいという感覚が無いんですよ。
そうなると、自然と気分も明るくなるし、人に優しくできるとか、いつも機嫌がいいとか、そうした変化もありました。こうした状態は、やはりパフォーマンスがしっかり発揮できるし、それはスポーツだけでなく、仕事や普通の生活にも良い影響を与えますよね。
食べても太らないレシピ
上柳:ダイエットと言えば「鶏むね肉」というイメージがありますが、レシピ本『いくら食べても太らない罪悪感ゼロごはん』の中でも結構使われていて、「鶏ハム」「鶏水晶」というものがよく出てきますね。
●鶏むね肉を使った「基本の鶏ハム」の作り方
小泉:鶏むね肉ってパサつくイメージがあると思うんですが、これは調理の仕方で変わります。肉の中の水分を逃がさないことがポイントです。
【材料】(2人分)
・鶏むね肉:300グラム
・塩:小さじ1弱
・料理酒:大さじ1
【作り方】
1)鶏むね肉は皮を取り、フォークでプツプツと刺す。
2)「鶏むね肉」「塩」「料理酒」をジップロック(耐熱ファスナー付き保存袋)に入れてよく揉み、空気を抜いておく。
3)鍋にたっぷりの湯を沸かし沸騰させる。火を止めたら、2)のジップロックを入れる。
4)蓋をして45分以上放置して、完成。
(※安全のため、必ず中心部まで十分加熱されたことを確認してください)
上柳:これをスライスすれば、基本の鶏ハムになるわけですね。
小泉:そうですね。本当に柔らかく、断面図がみずみずしくてプルプルに仕上がります。
上柳:うま味も逃げてないから、おいしそうですね。
★鶏ハムを応用して作る「甘辛鶏ハム丼」
小泉:先ほど紹介した「基本の鶏ハム」を作る過程で塩と酒を揉み込みましたが、このタイミングで甘辛ダレを入れるだけです。
【甘辛ダレの材料】(2人分)
・はちみつ:大さじ1
・コチュジャン:大さじ1
・醤油:大さじ1
・ごま油:小さじ1
・にんにく(すりおろし):適量
上柳:材料を全部ジップロックに入れて揉む。そして、お湯の中に45分ほど入れておけば完成すると。
小泉:皆さんの家に大体あるような調味料ですし、すごく簡単ですよね。
上柳:簡単だし、ご飯も進みそうですね。
●鶏むね肉を使った「基本の鶏水晶」の作り方
【材料】(2人分)
・鶏むね肉:300グラム
・片栗粉:大さじ2
・塩:小さじ1/2
1)鶏肉の皮を取って、フォークでプスプス刺す。
2)1センチ幅のスティック状に切る。
3)ポリ袋に、「鶏むね肉」「片栗粉」「塩」を入れ、なじませる。
4)鍋にたっぷりの湯を沸かし、3)の鶏むね肉を入れ、弱火で3分ほどゆでる。
5)氷水に取り、粗熱が取れたら水気を拭き取ったら完成。
小泉:沸騰したお湯で、肉を3分ほどしゃぶしゃぶする感じなのですが、これだけで凄く柔らかく仕上がります。肉を片栗粉でコーティングしているので、水分が逃げず、柔らかくプルプルに仕上がります。
★鶏水晶を応用して作る「鶏むねユッケ丼」
小泉:「鶏むねユッケ丼」はSNSでもバズりにバズったレシピなんですが、先ほど紹介した「基本の鶏水晶」に、ユッケだれを混ぜるだけでできます。
【ユッケだれの材料】(2人分)
・コチュジャン:大さじ1
・キビ砂糖:大さじ1
・醤油:大さじ1
・ごま油:大さじ1
・にんにく(すりおろし):適量
小泉:ボウルに材料を全部で混ぜ合わせ、「鶏水晶」を入れてあえます。ご飯の上に盛り、最後に卵黄を真ん中に落として完成です。
上柳:さらに、レシピ本『いくら食べても太らない罪悪感ゼロごはん』では、24種類もの万能だれが紹介されていますね。ネギ塩レモンだれ、にんにくしょうゆソース、油淋鶏ソースなど……。どれもおいしそうで、「鶏ハム」にも「鶏水晶」にも合いそうですね。
小泉:基本的になんでも合いますよ。タンパクな味のものに、ちゃんと美味しいソースを付けて食べられるように考えています。そうすることで、ストレスを感じない食事に繋がっていきます。
上柳:これなら、頻繁に鶏肉を食べても飽きなさそうですね。
――鶏むね肉はヘルシーでダイエットに良いと分かっていても、「食感がパサパサして苦手」と避けている人もいるかもしれないが、調理方法を少し工夫するだけで、驚くほどしっとりジューシーになる。
自炊に不慣れだとレパートリーが少なく、同じものを食べるストレスを抱えがちだが、「鶏ハム」や「鶏水晶」はタレを変えるだけで、しっかり味変できる。簡単なのに、予想以上においしくできるので、ぜひ定番レシピとして習得してみては。
小泉勇人さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHP(https://www.1242.com/genki/index.html)から、いつでも聞くことが可能だ。
番組情報
「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/