岡山から瀬戸大橋を渡って、土讃線経由で高知へ向かう特急「南風(なんぷう)」。
平日は3両程度の短い編成ながら、日中は毎時1本運行、宿毛まで足を伸ばす列車もあります。
「駅弁膝栗毛」では去年12月、「バースデイきっぷ」の特集と共にご紹介しました。
改めて、四国を満喫するなら、やっぱり「南風」。
なんたって車窓の変化が、とても楽しいんです!!
*こちらの記事でご紹介しました。↓↓
高松駅「サンポート高松幕の内弁当」(1,000円)~誕生月は四国へ行こう!「バースデイきっぷ」の旅【ライター望月の駅弁膝栗毛】
本州側の児島を出ると、いよいよ瀬戸大橋。
瀬戸内の静かな海に浮かぶ島々を眺めるだけで、自然と心が癒されてきます。
ココまでは、前回ご紹介した予讃線の特急「しおかぜ」と同じルート。
実は岡山の発車は、「南風」が毎時05分、「しおかぜ」が毎時35分で揃えられているので、岡山~多度津間は、ほぼ30分間隔で特急列車が運行されているんですね。
多度津で土讃線に入った「南風」は、こんぴらさんの玄関口・琴平駅を出ると、いよいよ四国山地。
2000系は、エンジンの音を響かせて、急こう配をパワフルにぐいぐいと登っていきます。
この区間はカーブが続くこともあって、世界初の制御式振り子付気動車・2000系の本領発揮。
振り子機能を使って、車体をゆるやかに傾けながら、カーブも高速で走り抜けていきます。
やはり「登り坂」の路線は、車両の“頑張り”が感じられて、自然と応援したくなるんですよね。
猪ノ鼻峠を越えて阿波池田へ下ると、ココからの車窓の友は、四国三郎「吉野川」!
阿波池田からですと、左に小歩危(こぼけ)→右に大歩危(おおぼけ)の順で絶景が広がります。
阿波池田~大歩危間の15分あまりは、「南風」の車窓のハイライトといえましょう。
四国を代表する海、山、川を1つの列車で体感できる列車「南風」。
こんな四国の車窓を眺めていただきたい駅弁が、4/1から6/30までの期間限定で登場しました。
その名も「四国家(しこくけ)のおもてなし弁当」(1,280円)!
四国には、お遍路さんをもてなす「お接待」の文化があります。
そんな地域に根付いた“おもてなし”の文化を味覚で感じて貰おうというのがこの駅弁。
6/30まで開催中の「四国デスティネーションキャンペーン」に合わせて発売されていて、「ステーションクリエイト東四国」が岡山の「三好野本店」に製造を委託し、販売を行っています。
【お品書き・・・上段左側から】
鳴門金時芋の甘露煮(徳島県産の鳴門金時芋を使用)
醤油豆(香川県の郷土料理、そら豆を使用)
きんぴらごぼう
阿波尾鶏の照焼き(徳島県産の地鶏「阿波尾鶏」を使用)
梅型おにぎり(白飯・ゆかり)
かつおのやわらか煮 和風あんかけ(高知県の家庭料理をイメージ)
人参煮
真鯛の塩焼き(来島海峡などに代表される瀬戸内産の真鯛を使用)
いりこだし入り味付けごはん(瀬戸内産のいりこだしを使用)
たこの煮付け
椎茸煮
厚焼き玉子
梅型おにぎり(味付けご飯、刻み穴子)
小海老入りかき揚げ(瀬戸内産の小海老を使用)
ワカメの雲丹たらこ和え(徳島産の鳴門ワカメを使用)
さくら漬け
四国4県の名物が1箱にギュッと詰まった“四国オールスターズ”弁当。
食材も出来るだけ地元産のものにこだわって、四国らしさを感じられる駅弁に仕上がりました。
塩加減よく焼き上げられた真鯛、阿波尾鶏のジュワっとした食感・・・など魅力いっぱいのおかずで、どれから食べようかホントに迷っちゃいました。
「四国家のおもてなし弁当」は、高松駅の駅弁売店のほか、特急「しおかぜ」(丸亀~観音寺)、特急「南風」(丸亀~琴平)の車内販売で入手することが出来ます。
今回4月はじめに高松駅にお邪魔しましたが、売店の方によると、早速、売れ行きも好調の様子。
3か月だけのスペシャル駅弁、味わうなら今のうちです。
大歩危(おおぼけ)までやって来たら、ちょいと祖谷(いや)まで足を伸ばしたいもの。
今回も、「去年」に続いて「和の宿 ホテル祖谷温泉」にお世話になりました。
祖谷の深い谷にケーブルカーで5分かけて170m下りると現れる、渓流沿いの露天風呂。
去年春より“進化”して、「渓谷の湯」「せせらぎの湯」が1日ごとの男女入替制になりました。
つまり、泊まると「2つのお風呂」が楽しめるようになった訳で、温泉好きにはたまらない“進化”。
もちろんどちらの風呂にも、人肌より少し温かい38℃、成分総計290mg/kgのアルカリ性単純温泉が豪快に注がれ、フワッとした硫黄の匂いに包まれてウトウトすれば、体には気泡がビッチリ!
コレがやめられなくて、毎年のように祖谷温泉に通ってしまうんです。
*こちらの記事でご紹介しました。↓↓
ケーブルカーで入る四国随一の秘湯「祖谷温泉」~徳島駅「特撰阿波地鶏弁当」(1,029円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】
そして、大歩危の春の風物詩といえば、何と言っても「鯉のぼり」!
観光遊覧船が発着する「レストラン大歩危峡まんなか」を訪れれば、全国から集められた数百もの鯉のぼりが、大歩危峡の天空を舞うように心地よく風に泳いでいることでしょう。
ちなみに今シーズンは、いつもの年より少し早く、3月中旬から鯉のぼりがスタートしたそう。
実はコレ、「ある理由」があったのですが、詳しくはまた次回、レポートいたしましょう!!
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/