高知駅「かつおたたき弁当」(1,100円)~四国随一!画期的な「刺身」駅弁!!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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JR四国2000系・特急「南風」

4月10日は、瀬戸大橋が開通した日。
昭和63(1988)年の開業ですので、瀬戸大橋線もいよいよ30年目に入ります。
「南風(なんぷう)」は、岡山からその瀬戸大橋線を通って、高知を結ぶ特急列車です。
瀬戸内海を渡り、四国山地を越え、太平洋側の高知までは、2時間半あまりの旅。
一部の列車は、高知の先、土佐くろしお鉄道の中村、宿毛(すくも)まで直通します。

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かつおたたき弁当

そんな「南風」に昼時、高知駅から乗車するなら、ぜひ押さえておきたい駅弁があります。
その名も「かつおたたき弁当」(1,100円)!
調製元は、高知駅弁を手掛ける安藤商店(仕出しのあんどう)です。
「かつおのたたき」は高知を代表するご当地の味ですが、よく考えると「刺身」の一種。
「駅弁」って普通、保存性が大事とされるんじゃありませんでしたっけ???

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かつおたたき弁当

紙蓋をあけると、ドーン!「かつおのたたき」が入っているのです!!
しかも、ねぎ・玉ねぎをはじめ、みょうがなどの薬味がたっぷり載った本格的なもの。
保冷剤で冷やされていて、消費期限は当日の23時まで確保されています。(要冷蔵)
海鮮系駅弁では、寿司ネタになっていたり、「ヅケ」に加工された魚は時々見かけますが、ココまで「本格的」な刺身の駅弁は、さすが本場・高知ならではですね。

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かつおたたき弁当

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かつおたたき弁当

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かつおたたき弁当

安藤商店オリジナルのゆず風味のたれと、カボスをキュッと絞っていただけば、辺りはいい香り!
この柑橘系の匂いと、しっかり焦げ目の付いた肉厚なかつおのわずかな苦みが、実によく食欲をそそってくれて、白いご飯と共に箸が進みます。
これが列車の中で食べられると思うと、改めて、高知駅の「かつおたたき弁当」は、駅弁界における“明治維新”級の画期的な駅弁!

私自身、高知を訪ねる機会がある度に、ほぼ必ずいただいてしまいます。
基本、高知駅ホームでの販売となりますが、繁忙期には昼前に売り切れてしまうことも多く、売店も午後3時までの営業なので、確実に入手したい場合は、予約をしておくことをお勧めします。
(安藤商店・・・電話:088-883-1000)

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JR四国2000系・特急「南風」

土佐の偉人・坂本龍馬は「時勢に応じて自分を変革しろ」という言葉を残したと伝えられています。
駅弁というものは、列車の高速化が進み始めた昭和30年代後半から、年々厳しい環境に置かれてきてはいますが、今も全国で100軒前後の駅弁屋さんが頑張っています。
厳しいといわれつつ駅弁が続いているのは、各地の駅弁屋さんが伝統を守りながらも、様々な工夫をして「時勢に応じた変革」を行ってきたことが大きいように感じます。
「かつおたたき弁当」のような“駅弁に生もの”というのも、そんな変革の1つ。

きょう4月10日は、「駅弁の日」でもあります。
ぜひ、きょうはお近くの駅弁販売駅で、駅弁屋さんのいろんなアイディアがギュッと詰まった折詰を手に取ってみてはいかがでしょうか。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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