国鉄からJRになって30年、瀬戸内海を挟んだ本州側の岡山でも「国鉄形車両」は健在です。
岡山エリアの国鉄形といえば、国鉄最後の新系列と呼ばれる「213系」電車。
民営化直前の昭和62(1987)年春、岡山~宇野間の快速でデビューして、1年間、足慣らしの後、翌年の瀬戸大橋開業から15年間、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」として活躍しました。
現在は、岡山エリアの普通列車を中心に、その姿を見ることが出来ます。
岡山周辺で見られる「国鉄形」には、105系電車もあります。
よく見られるのは、県境を越えた広島県の福山から分岐する「福塩線」。
福塩線は、山陽本線・福山駅と、広島・三次市の芸備線・塩町駅を結ぶローカル線ですが、福山~府中間が電化、府中~塩町間は非電化となっています。
105系電車が活躍するのは勿論、電化されている福山~府中間です。
そして岡山エリアで今、一番アツい国鉄形といえば「115系」電車。
瀬戸内エリアの115系電車のほとんどは「黄色」一色に塗られていますが、一部の車両(3両・2編成)は、国鉄時代を彷彿とさせるオレンジと緑の「湘南色」で活躍しています。
今年のGW(5/3~5/6)には、この湘南色の編成を2つ繋げた6両で、姫路~三原間などを運行することが「公式発表」されており、ファンを中心に大きな注目を集めそうです。
「国鉄形」がアツい岡山エリアですが、岡山の「温まる駅弁」といえばコレ!
岡山駅弁「三好野本店」の「あったかえびめしとデミカツ丼」(1,180円)です。
「えびめし」と「デミカツ丼」という、岡山名物の洋食を一度に味わえる駅弁・・・。
実はほぼ同じ駅弁を去年の今ごろ「ご紹介」しているんですが、今年は“あったか”と冠が付いて、紐を引っ張ると温まる「加熱式駅弁」にバージョンアップしておりました。
*こちらの記事でご紹介しました。↓↓
「津山まなびの鉄道館」へ行ってみた~岡山駅「岡山名物 えびめしとデミカツ丼」(880円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】
【お品書き】
(えびめし)
えびめし
ボイル海老
錦糸玉子
さくら漬け(漬物)
(デミカツ丼)
三元豚のロースとんかつ
デミグラスソース
キャベツコンソメ煮
白飯
おさらいしておくと、「えびめし」は、カラメルソースとケチャップを合わせたものにスパイスをきかせたソースを使った独特の焼飯。
「デミカツ丼」は、岡山の「カツ丼」。
一般的に「カツ丼」といえば卵とじといわれていますが、岡山はデミグラスソースをかけたものが「カツ丼」なんだそうです。(参考:おかやま旅ネット)
改めて思うのは、「駅弁」というものは進化するということ。
2010年代前半、コレとほぼ同じ名称の駅弁がありましたが、えびめしの上にデミカツが載った形の加熱式駅弁でした。
昨年ご紹介した際は、非加熱駅弁になりましたが、2つのご当地グルメの間には仕切りが設けられ、「セパレート」式にリニューアル。
そして今回、「セパレート式」のまま、加熱式容器に戻ってきたという訳です。
確かに濃厚なえびめしにそのままデミカツでは、味わいが濃すぎるので、セパレートなのは納得。
しかも、特にえびめしは温かいほうが美味しい!
継続的に観察していると、試行錯誤しながら、岡山ならではの味をいかに美味しく食べてもらうか、駅弁屋さんが努力している様子が伝わってきます。
こういったアツい「進化」を見ていくのも、駅弁の楽しみ方の1つなのです。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/