海上自衛隊護衛艦“いずも”が米補給艦に“武器等防護”実施 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/2(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

自衛隊初の米艦防護~北朝鮮にらみ日米の連携強化をアピール~中国の反応は?
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター富坂總(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

DDH-183いずも型護衛艦(海上自衛隊-Japan-Maritime-Self-Defense-Force)

DDH-183いずも型護衛艦(海上自衛隊/Japan Maritime Self-Defense Force)


ヘリコプター搭載護衛艦“いずも”がアメリカ海軍補給艦を「武器等防護」の為に横須賀基地を出港

海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦“いずも”は昨日、安全保障関連法に基づきアメリカ軍の艦艇を守る「武器等防護」を行いました。自衛隊が安保関連法の新任務にあたるのは初めてで、今回の武器等防護は緊迫する北朝鮮情勢を睨み、日米の連携強化をアピールするねらいがあります。

高嶋)いやあ、ニュースはこればっかりでしたけども、日米同盟が新しい領域に入ったと新聞も騒いでおります。それではまず昨日今日の経緯を。森田耕次解説委員です。

森田)「武器等防護」というのは自衛隊が艦船や装備品を守る任務のことでして、安全保障関連法でその対象をアメリカ軍などのほかの国の軍隊に拡大しています。しかも平時や武力行使に至らない「グレーゾーン事態」の下でのほかの国の軍隊が対象となっております。
今回海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦“いずも”(DDH-183)は、昨日の午前中に神奈川県の横須賀基地を出港しまして、房総半島沖で合流したアメリカの補給艦の周辺を警戒・監視するなどして防護しています。任務は2日間程の予定でして、四国沖でこのアメリカの補給艦と別れて、今月15日のシンガポール海軍主催の国際観艦式に“いずも”は参加します。
一方アメリカの補給艦は今後、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて日本海に展開していますアメリカの艦船や、原子力空母“カール・ヴィンソン”(CVN-70)の随伴艦に燃料を補給すると見られています。
“いずも”は全長248メートルで海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦です。防御用の機関砲(ファランクス)とミサイル(SeaRAM)合わせて4基を備えているのですが、イージス艦と比べますとミサイル迎撃能力は低いとされておりますので、どこまで防護できるのか、また今回活動するのは太平洋側ですので、防護対象のアメリカの補給艦が攻撃を受ける可能性は低いとされております。その為防衛省筋は「政治的アピールの意味合いが強い」と、このような指摘をしているのですね。
一方中国の国営中央テレビは今回の武器等防護について「専守防衛の安全保障政策を破り、日米軍事同盟を強化しようとしている」と批判的に伝えたほか、国営通信の新華社も“いずも”について「事実上の空母だ」と、このように強調しているのですね。
こうした中、先程入ったニュースなのですが、アメリカのトランプ大統領はブルームバーグ通信のインタビューで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と「状況が適切なら会うだろう」と述べまして、状況次第で首脳会談を行う意向を示しました。「会談するのは光栄だ」とも述べています。ただアメリカのスパイサー大統領報道官は「会談を行う条件は整っていない」と述べまして「北朝鮮はミサイル発射実験などの挑発行為を止めるべきだ」と強調しています。


トランプ大統領は北朝鮮との交渉の意思表示 落としどころは“核の現状維持”?

高嶋)富坂さん、昨日の自衛隊の“いずも”が防護したなんていう、これはたまたまなにか丁度時期が一致したこととか、それから行き先が「シンガポール行くの? ああそう、俺日本海の方行くから、じゃあちょっと一緒にやるか」みたいな。映像で観ると相当離れていましたよね。防護するのだったらもう少し近付いて行けば良いのにと思ったのですけど。そんな様な感じにも取れたのですけども。
今日伺いたいのは、結局トランプ大統領の本音、彼は北朝鮮とはチェスをやっているようなものだから、手の内を明かさないみたいなことを言っていましたけれども、どういう風に収集を付けようと思っているのか。いずれにしても踏みつぶすというよりも何やら話し合いで上手くまとめていきたいというような、そんな気配が濃厚になってきましたよね。

富坂)私はこの番組でもずっと言っているのは、多分米・中・朝三ヶ国協議というのが落としどころかなという風に見ています。そういう話し合いの前提としてこれからは何を残すのかということでギリギリまでプレッシャーを掛け合うという、新しい火花を散らすのではないかなと思いますけどね。
結局アメリカだって今の段階で「武力行使をしない」という風に言ったら、これは北朝鮮にとってはすごく良い条件で交渉してくると思いますので。そういう意味で言うといわゆる、我らは認めたくないですけども、核の現状維持ということも認めつつ話し合いに持って来させるか、それとも完全に取り上げるというような形でプレッシャーを掛けてやれるのか、そういういわゆる条件闘争の段階に入っていくのではないかなという気がしますね。

高嶋)今おっしゃったのは、北朝鮮の核を認めてしまうという、そういう選択肢もあるということですか?

富坂)あるということですね。だからこれはアメリカの報道で出ていますけども、いわゆる核保有国として認めるというのもひとつの選択肢として考えられたことがある。結局それは対話と圧力ということに戻っていくわけですけども、だけど一瞬それを検討材料として考えることがあるというのも既に報道で出ていますね。

高嶋)北朝鮮の非核化というのは絶対に譲れない線ではないのですか?

富坂)そういうことは我々の感覚なのですよ。そうでない広い所で選択肢が実はアメリカにもあるので、そういう意味で言うと非核化というのを日本はどうしても実現しなければいけないことなので。

高嶋)今の段階で押さえてしまえばICBM(大陸間弾道ミサイル)がアメリカ本土に飛んでくる心配は無いみたいな、そんなところがあるのですかね。

富坂)そうですね。ICBMというのは技術的には上手く9月の末に迎撃訓練をするつもりだという風に発表していますけど、それを見ても距離があるので撃ち落とせると思いますけど。


中国はトランプ大統領と金正男委員長の対話実現に動いている?

高嶋)あり得ないと思いますけど、トランプ大統領と金正恩委員長がどこかで会うとかいう、その選択肢もあり得るのですか?

富坂)中国はこのミッションの為に動いているわけですよね。だから一番の目的がそれで、「じゃあそれをするならアメリカ側も条件を下げてくださいとよ」ということで、終わった直後にテラーソンさんが「現状でこれ以上のことをしなかったら会いますよ」というサインをいきなり出した訳ですよね。
中国側が言っている「双方ストップ」という、両方が今の段階から何もしないという状態を作り出すということは半分実現しつつあるわけですね。細かく見ていくとアメリカの方はいきなりそれに全部乗るわけにはいかないので、温めたり冷やしたりということをやりつつも、実はオバマ政権の時は絶対踏み込まなかったようなハードルを下げてきているわけですよ。
そういうことを細かく見ていくとやはり中国との連携も出来ているし、結局そこに落とし込んでいくということに今のところは向かっていると見ていいのではないかと思いますね。

高嶋)なにか気味が悪い程トランプさんが習近平さんを持ち上げたり、刈り上げのお兄さんを褒めたりなんかしてね。何かあるのでしょうね。

富坂)だから力と両方使っていくということですね。

高嶋)どんな動きをしていくのでしょうか、興味津々です。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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