今年(2017年)春のダイヤ改正は、全国的には小幅なモノでしたが、その中にあって、大きな話題となったのが、北海道の特急列車の再編です。
札幌と網走を結ぶ「オホーツク」と、札幌~稚内間の「スーパー宗谷・サロベツ」にメスが入り、一部の列車が、旭川始発で運行されるようになりました。
旭川始発の網走行には「大雪」の愛称が復活、稚内方面は札幌始発が「宗谷」、旭川始発には「サロベツ」の愛称がスライドしました。
網走・稚内への直通列車が走らない時間帯は、札幌~旭川間の電車特急と乗り継ぐ形に・・・。
コチラも再編され、従来からの789系電車1000番台による「スーパーカムイ」は「カムイ」に。
青函連絡を担っていた「スーパー白鳥」から転属したグリーン車付の789系電車が使われる列車には、10年ぶりに「ライラック」の愛称が復活しました。
札幌~網走・稚内間は、直通列車ですと5時間あまりかかる行程。
旭川で対面ホーム乗換えとなることで駅弁も買えるので、程よいブレイクになるように思います。
そんな北海道の春旅のお供となるのが、札幌の春駅弁「彩り御膳 春らんまん」(980円)です。
5月までの期間限定駅弁で、調製元は「札幌駅立売商会」(弁菜亭)。
札幌駅では10年以上、季節ごとの限定駅弁「四季のこだわり駅弁シリーズ」が販売されており、これはその春バージョンです。
例年5月上旬に桜の季節を迎える札幌らしく、満開の桜の写真が帯に使われていますね。
【お品書き】
・シラス入り香り梅俵ご飯・・・梅汁で色出し
・五色巻き寿し・・・花見らしく御所車をイメージ
・ミニ稲荷寿し・・・米は全て北海道産「ななつぼし」
・道産サクラマスと野菜の生姜煮・・・旬の魚・サクラマスを使用
・知床鶏若草焼き・・・えんどう豆のペーストで焼き上げ
・桜海老の新丈揚げ・・・札幌の老舗蒲鉾屋さん「かね彦」のこだわりの品。
・道産つぶ煮と銀杏串・・・襟裳産のつぶを圧力鍋で一気に炊き上げたとのこと。
・道産キャベツ梅浸し
・道産卵焼き
・きんぴら牛蒡
・道産山蕗煮
・タラの芽揚げ
・付け合わせ
・ミニ桜餅のオーロラ包み・・・道産小豆を使用
「春らんまん」の名前にふさわしく、いいものを少しずつ、程よく味わえる駅弁です。
お品書きの多くに「道産」の文字が躍るのも特徴。
本州からやって来た私からすると、ココまで食材天国・北海道のポテンシャルの高さを見せつけてくれると、爽快感すら憶えます。
〆に“オーロラ包み”と銘打ったキラキラ輝く包みを開ければ、可愛らしい桜餅が登場。
厳しい冬を乗り越えた北海道の春の訪れへの大きな喜びが詰まった、華やかな駅弁です。
首都圏の方は、あまりご存知ないかもしれませんが、実はこの5月は北海道がちょっとお得。
北海道新幹線開業1周年を記念して、5/14.21.28.6/4の日曜限定で「JR北海道日帰り周遊パス」(3,000円)というきっぷが出ています。
パス自体は普通乗車券ですが、新青森以北乗り放題で、新幹線を含め特急券と併用可能。
特急券を買い足しても、往復利用すれば、正規料金の半額以下となる区間も結構あります。
乗車した日は、札幌~帯広~池田~釧路~南千歳~函館と移動して、乗り鉄三昧。
北海道内のみどりの窓口と新青森駅限定で、前日までの発売となりますが、道東・道北へと続いていく“桜の追っかけ旅”にも使えるかも!?
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/