八戸駅「こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当」(1,480円)~国鉄形気動車キハ40天国・八戸線!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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八戸線のキハ40

八戸線のキハ40

国鉄がJRになって30年、都市部を中心に国鉄形車両は、多くが姿を消しました。
しかし、八戸~久慈間を走るJR八戸線では、普通列車の主力が今も「キハ40形」気動車。
キハ40形は、国鉄が昭和52(1977)年から非電化ローカル線向けに大量に生産した車両です。
初期の車両は、今年で車齢40年となることから、各地で置き換えが検討されており、最近では、懐かしい登場時のタラコ色「朱5号」にリバイバル塗装される車両も登場しています。

キハ40とキハ110(東北エモーション)

キハ40とキハ110(東北エモーション)

久慈駅のホームで、国鉄時代に作られたキハ40と、JRになってから作られたキハ110系気動車(東北エモーション)が並びました。
紅白の色の違いはあれど、やはり国鉄型車両は重厚、JRの車両はライトな感じがします。
このキハ110系でも、既に20年戦士。
水郡線や久留里線などを走る最新のキハE130系気動車は、ステンレス車体となっています。

八戸線のキハ40

八戸線のキハ40

キハ40は、JRになってから、走る地域ごとに、様々なカラーリングとなったのも特徴です。
八戸線を管轄するJR盛岡支社のエリアで走るキハ40は、白地に赤いラインが入った、通称「盛岡色」と呼ばれる塗色となっています。
加えて懐かしいのは、今も原形に近い「非冷房」の車両であること。
夏はやませの影響を受ける冷涼な八戸線ですので、必ずしも冷房は必須ではありませんが、扇風機をぶんぶん回し、窓を開けて自然の風を楽しめるのは、八戸線ならではの旅です。

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

八戸線のローカル線旅を楽しむなら、やはり東北新幹線から乗り継ぐのが基本。
青春18きっぷのシーズン、盛岡~八戸間は、第3セクターの普通列車で2時間近くかけて移動しても3,040円かかりますが、新幹線なら最速25分ちょっとで、料金も「3,500円」と大差ありません。
そして八戸で駅弁を買って、ボックスシートにどっかり腰を下ろすという算段。
この日は、八戸駅弁・吉田屋の「こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当」(1,480円)を選んでみました。

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

1月に京王百貨店新宿店で行われた駅弁大会で、実演販売が行われたこの駅弁。
去年10月に「駅弁膝栗毛」でご紹介した「こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当」のズワイガニバージョンという位置づけの駅弁です。
殻付きのズワイガニの棒肉の上に、イクラの醤油漬けを盛り付けて、ベニズワイフレークと鮭フレークを敷き詰め、おかずにはスクランブルエッグと小松菜和えを入れています。

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

こぼれイクラとずわいガニ棒肉弁当

やっぱり“こぼれイクラ”は、絵になりますね。
ズワイガニは水っぽさが無いので味わい深く、ただただ無言で殻に喰らいつきたくなります。
水産の街・八戸らしい駅弁の1つと言っていいでしょう。
最近はカニのシーズンが終わってきたこともあってか見かけなくなっていますが、ハラスバージョンとテレコで、冬場にはまたお目にかかりたいものです。

八戸線のキハ40、有家~陸中中野間

八戸線のキハ40、有家~陸中中野間

八戸線のキハ40で希少とされるのが、通称「赤べこ」。
白地に赤い帯だけでなく、正面の顔に赤い塗り分けが入っているのが特徴です。
昔ながらの差し込み式のサボ(行先案内板)も使われていて、国鉄時代の雰囲気を色濃く残す八戸線のキハ40。
観光列車と共に、国鉄形気動車で昔ながらの旅を体感するのも楽しいですよ!

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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