宇都宮駅「焼餃子ダブル弁当」(800円)~宇都宮の名に懸けて!「駅弁×餃子」のチャレンジ!!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

東北新幹線E2系 やまびこ

東北新幹線E2系「やまびこ」

大宮駅に入ってきたのは、東北新幹線の下り始発定期列車、E2系の「やまびこ41号」。
標準的な「やまびこ」は、東京、上野、大宮、宇都宮・郡山・福島・仙台に停車し、仙台以北は各停となって盛岡に向かいます。
始発の「やまびこ41号」も、大宮を出ると、次の停車駅は宇都宮です。
大宮からはおよそ25分、東京からはおよそ50分で、宇都宮に到着します。

焼餃子ダブル弁当

焼餃子ダブル弁当

宇都宮は一般的に「駅弁発祥の地」とされ、今も「松廼家」による駅弁が多数販売されています。
さらに90年代以降、食の町おこしがヒットして「宇都宮餃子」が1つのブランドとなりました。
駅弁にも様々な“餃子駅弁”が投入されてきましたが、なかなか決定打が出ていません。
有名店とコラボしたもの、カレー風味の揚げ餃子、さらには「餃子味のご飯」にしたもの・・・。
その中で、今年春デビューし、継続販売されているのが「焼餃子ダブル弁当」(800円)です。

焼餃子ダブル弁当

焼餃子ダブル弁当

今回は「宇都宮餃子会」監修のもと、焼餃子と白いご飯のみという超シンプルな構成。
餃子が2人前・全12個というのは有名餃子店では一般的とみられますが、駅弁という点では、かなりのヘビー級です。
駅弁化に当たっては『冷めても固くなりにくい皮を使い、風味を落とさないように工夫した』と、関係者の弁が伝えられており、「冷めても美味い」を意識した餃子のようです。

焼餃子ダブル弁当

焼餃子ダブル弁当

掛け紙を外し、ふたを開けると、香ばしい匂いと共に12個の焼餃子が並ぶ様子は壮観。
特に現地・宇都宮で、常温販売されたものをいただくと、皮のもちもち感が感じられます。
せっかく宇都宮へ来たけど、餃子の1つも食べずに帰らなくては・・・という出張の方には、最後の砦として、この駅弁があれば、缶ビール片手に東京までの50分間で重宝するかもしれません。
個人的には加熱式容器でも面白いと思いますが、焼きの風味を残すのが難しいのかな?!

小麦の特性は、駅弁の特性である「冷めても美味しい」と相反すると、製粉業者さんに伺ったことがあり、それゆえに「駅弁×餃子」のコラボにはかなりのご苦労があるモノと推察します。
ただ、駅弁界には、横浜のシウマイのように、見事なまでに限界を超えたものがあるのも事実。
宇都宮の名に懸けても、ぜひ「冷めても美味い駅弁×餃子」の最強コラボ駅弁が生まれるまで、飽くなきチャレンジを続けてほしいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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