静岡駅「ブラックアンガス牛カルビ重」(880円)~実は女性にも人気!老舗駅弁屋さんの新作牛肉駅弁!!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

特急 (ワイドビュー)ふじかわ

373系・特急「(ワイドビュー)ふじかわ」、東海道本線・清水~興津間

10月で運行開始22年、静岡~甲府間を身延線経由で結ぶ特急「(ワイドビュー)ふじかわ」。
途中、清水・富士・富士宮・内船・身延・下部温泉・甲斐岩間・鰍沢口・市川大門・東花輪・南甲府の順に停まり、終点・甲府までは最速2時間10分あまりの旅となります。
富士で進行方向が変わるため、始発駅・静岡では、シートが逆向きに準備されているのが特徴。
高山本線の特急「(ワイドビュー)ひだ」や、秋田新幹線「こまち」でも見られるスタイルですね。

313系 211系

313系+211系の普通列車三島行、東海道本線・清水~興津間

今川義元・徳川家康の師、太原雪斎ゆかりの清見寺付近は“静岡の北鎌倉”といった雰囲気。
明治の鉄道敷設の際、お寺が境内を線路用地に提供しているんでしょうね。
そんな清見寺前を快調に走り抜けていくのは、313系電車と211系電車の併結普通列車。
東海道線・興津~島田間は、日中概ね10分間隔で列車がやってくるので飽きません。
国鉄末期の昭和59(1984)年から運行された「するがシャトル」由来のダイヤでもあります。

ブラックアンガス牛カルビ重

ブラックアンガス牛カルビ重

歴史あるお寺が、当時はあまり理解されていなかったであろう「鉄道」のために、用地を提供するということは、かなりの決断があったんだと推察します。
でも、歴史あるトコほど、新しいモノを積極的に取り入れていくのは、駅弁にも共通すること。
東海道線開通以来、静岡駅の駅弁を手掛ける「東海軒」の新作駅弁もなかなか攻めてきました。
その名も「ブラックアンガス牛カルビ重」(880円)といいます。

ブラックアンガス牛カルビ重

ブラックアンガス牛カルビ重

「ブラックアンガス牛カルビ重」は、今年(2017年)5月に発売を開始しました。
ブラックアンガス牛は、スコットランド原産の牛を起源とする黒毛牛。
バラ肉のうま味と脂を程よいバランスで味わえるとされ、黒毛和牛のA5ランクにも相当するとか。
牛の形の穴が開いたスリープ式の包装を外すと、甘めのいい匂いがフワッと漂います。
冷めても柔らかく、静岡らしく「わさび漬け」で、ピリッとさせていただくのが美味しいですね!

ブラックアンガス牛カルビ重

ブラックアンガス牛カルビ重

「東海軒」によりますと、元々、肉駅弁が少なく、拡充のためにおよそ半年かけて開発したそう。
従来の国産牛を使った焼肉駅弁は、製造できる量に限界があるため、安定した供給と価格面のバランス、さらに肉の美味しさから「ブラックアンガス牛」にたどり着いたといいます。
当初は静岡出張のビジネスマンをイメージしていたそうですが、フタを開けてみてびっくり、意外に女性が購入されるケースが多く、既に静岡駅の人気駅弁の上位に食い込んできているそうです。

『とにかく美味しいものを出す』というのも、駅弁屋さんの哲学の1つだと思います。
特に静岡という土地柄を考えますと、東海道新幹線のビジネス需要は旺盛でも、強力な畜産ブランドは少ないだけに、“助っ人外国牛”を抜擢しているのも興味深いところ。
明治時代から続く老舗なのに、話題の食材を積極的に使う“ミーハー感”も面白いですよね。
進化を遂げる静岡・東海軒の肉駅弁、これからも要注目です!

キヤ97系

キヤ97系、東海道本線・静岡駅

今回、静岡で放送中の「まるごと」というTV番組に呼んでいただいて、この新作に出逢えました。
そのロケ中に静岡駅のホームで遭遇したのが、「キヤ97系」気動車!
日本国内では初めての気動車による在来線用のレール運搬専用車両です。
平成19(2007)年に作られ、機関車牽引による列車を無くし、作業の効率化が図られました。
東日本エリアでも、このキヤ97系をカスタマイズした車両が登場することになっています。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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