【ライター望月の駅弁膝栗毛】
宇都宮駅で発車を待つのは、湘南新宿ライン・横須賀線直通の普通列車逗子行。
この日は、E233系電車に当たりました。
上野東京ライン(東京経由)、湘南新宿ライン(新宿経由)の列車は、E231系・E233系10~15両編成によって運行されており、時間帯によっては2種類の車両が混結されることもあります。
E233系の場合、パッと見で東京経由・新宿経由を見分けられますよね?
コチラは、上野東京ライン・高崎線直通の普通列車高崎行。
行先の文字の色が、上野東京ラインは「白」、湘南新宿ラインは「オレンジ」で書かれています。
他にも宇都宮線の列車は、高崎線と区別するため「緑色」で表示するなど、フルカラーLEDを活用した様々な方法で、「誤乗」防止に努めているんですね。
そんな小さな違いを見つけていくのもまた、旅の楽しみであります。
小さな違いを見つけていく楽しみという点では、駅弁はその最たるものかもしれません。
例えば、駅弁と聞いて思い出すものの1つに“釜めし”があります。
首都圏在住であれば、多くの方は群馬・横川の釜めしを思い出すかもしれませんが、釜めし駅弁は多くの駅で作られており、それぞれの駅弁屋さんが様々な趣向を凝らしているもの。
今回は、宇都宮駅弁「松廼家」の「宮の釜めし」(800円)を手に取ってみました。
まず掛け紙が、宇都宮らしく「駅弁発祥の地」を謳ったものになっています。
また、東照宮の陽明門も描かれていますね。
釜型の容器は、持ち運びを重視しレンジによる再加熱を意識したプラスチック製。
使われている鶏肉は、「松廼家」定番のいっこく野州どり。
この他にも、栃木らしくかんぴょうが入り、ふきのとうの苦みでオトナの味が楽しめます。
ひとえに『釜めし』といっても、作り手が違えば、味わいも違うもの。
具材も、販売されている地域のご当地性を活かしたものになっています。
食欲の秋、例えば「釜めし」という1つのテーマを自ら設定して、各社の釜めし駅弁を食べ比べてみるのも、駅弁の楽しみ方の1つかもしれません。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/