農業との出会いは山形県で過ごした高校時代
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4月10日放送 ゲスト:「現代農業」編集長 石川啓道 第2回
月刊「現代農業」は、農業や農村の今を伝える総合実用誌。発行部数約20万部。雑誌の内容について、編集長石川啓道に聞く。
山形県の全寮制高校で出会った農業
黒木)黒木瞳です。毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、今週のゲストは農業の専門雑誌「現代農業」編集長の石川啓道さんです。
石川さんは、もともと農業はやっていらしたんですか?
石川)いや、私はやっていません。生まれが東京で、家も農業とは関係ないのですが、高校時代、山形県の山奥にある全寮制学校に行きまして。そこは普通高校なのですが、春と秋に1週間、農繁休暇というのが、学校行事でありまして。田植えとか、稲刈りとか、地域の農家を手伝いに行くのがありまして。そこで、素敵な農家に出会って、その農家に教えてもらって、米作り体験というか、「米部」を学校で作りました。それが自分の最初の出会いです。
黒木)東京のご出身でいらっしゃるのに、山形県の高校に。それはたまたまですか?
石川)従兄弟が行っていまして。全国から集まる全寮制高校ですが、「スキーができる!」とかね。「いろいろ体験できて面白い」という話を聞いていて、面白そうに思って、寮に入りました。
「農家人の話」が面白く、興味を持った
黒木)学校行事で農業に触れる機会があって、そこから農業にハマったわけですね?
石川)農業に直接ハマるというより、農家の話が面白いな、と。自分のなかで印象に残っているのが、東京から山形の雪深いところへ行きますよね。そうすると、季節感がスゴいのですよ。普通は春夏秋冬で四季ですが、もう四季どころじゃない。「春」といっても、「雪が溶けてふきのとうの春」とか、「ブナの新緑の春」とか、「田植えの春」とか、とても細かくあります。
黒木)春のなかに、いろいろな春の顔があるわけですね?
石川)そうですね。向こうから迫ってくる。季節を探さずとも、山から迫ってくる。
それで、秋の紅葉はものすごくて。真っ赤ですから、それがわーっと来るのですが、忘れられないのは村人たちと話していたら、「今年の紅葉は○月×日の○時頃がいちばんキレイだった」と。「この人たち、どういう風に自然を見ているのだろう?」とそのときに思ったのです。そういうのがいろいろあって、うまく言えませんが漠然と「自然を理解したい」という思いが出てきたのですね。それをするには、日々自然と向かい合っている農家に話を聞くのがいちばんかな、というのが根っこにあります。
メロンの受粉は筆を使うと簡単にできる
黒木)興味を持たれたのですね。経験はなく、いまも実際に自分で畑で何か作ることはやっていらっしゃらなくて、やはり農家の方の話を聞いて、雑誌にする?
石川)そうですね。ベランダでちょっと作るとかはやりますけどね。
黒木)ちなみにどんなものを作りますか?
石川)ここ数年ずっとやっていたのは、メロンですね。
黒木)えっ、メロンをベランダで!?
石川)けっこううまくできます。ちょっと自信が出てきました。
黒木)メロンを、種からですか?
石川)いえ、苗を買ってきて。
黒木)苗を買ってくるのですか。
石川)そうですね。10センチくらいの苗を買って、春にプランターへ植えて、そうするとツルが伸びる。受粉すると、実が付いて。直径20センチ・重さ1キロのものが、8月のお盆くらいに収穫できる。これは家族にも非常に評判です(笑)
黒木)スゴい! 「やってみたいな」って気持ちになる! 春にその苗を植えたら、夏に食べられるのですか?
石川)そうですね。
黒木)やろう!
石川)それも農家に教えてもらうといいですね。なかなか受粉の作業が難しいです。
黒木)受粉も自分でやらなきゃいけない?
石川)ええ。受粉は自分でやらないと、なかなか実が付かないです。「筆を使うと、受粉が簡単にできる」とメロン農家の方に教えてもらいました。
石川啓道/月刊「現代農業」編集長
1976年・東京生まれ。四国学院大卒。
1998年、一般社団法人農山漁村文化協会(農文協)に入会。
地域普及部を経て2003年、文化部に所属。
2005年に「現代農業」編集部へ移動し、2017年4月に編集長に就任。
(2018年4月10日放送分より)
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