【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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E257系・特急「あやめ祭り」号、鹿島線・延方~鹿島神宮間
北浦に架かる長い鉄橋を渡って来たのは、E257系の特急「あやめ祭り」号。
6月の土・日だけ、新宿~鹿島神宮間で運行される臨時列車です。
新宿を8:29に発つと秋葉原・錦糸町・船橋・津田沼・千葉・佐倉・成田・佐原・潮来に停車し、終点・鹿島神宮には10:38に到着。
この列車の乗客の皆さんが目指す場所といえば・・・。
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水郷潮来あやめ園
花の見ごろを迎えた、水郷エリアのあやめ園!
特に茨城県潮来市(いたこし)の「水郷潮来あやめ園」は、JR鹿島線・潮来駅の駅前。
“ドアが開いたら、5分であやめ!”というくらい、鉄道旅派に有難いスポットなのです。
およそ1.3ヘクタールの広さを誇るあやめ園は、昭和51(1976)年の開園で、園内にはおよそ500種、100万株のあやめ(花菖蒲)が咲き誇ります。
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水郷潮来あやめ園
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水郷潮来あやめ娘の皆さん
梅雨の時期だからこそ美しいあやめ。
昭和27(1952)年に始まった「水郷潮来あやめまつり」は、今年で第67回となりました。
今年は開花が早めで、訪れた時期にはかなりの見ごろに・・・。
祭りの期間中は「嫁入り舟」やあやめ踊りの披露など、多くのイベントが行われており、毎年80万人を超える皆さんが訪れるといいます。
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元気豚佐倉味噌漬け弁当
そんな水郷エリアへ鉄道で足を運ぶなら、やはり千葉駅の駅弁で腹ごしらえしたいところ。
千葉から佐倉・成田・佐原・・・と進んでいくことを考えると、沿線ゆかりの食材を使った「元気豚 佐倉味噌漬け弁当」(900円)を選びたくなるかもしれません。
千葉駅の駅弁は、千葉から1駅・東千葉駅前にある「株式会社リエイ 万葉軒千葉工場」が製造し、千葉駅では改札内にあるNREの「駅弁屋踊 ペリエ千葉店」で販売されています。
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元気豚佐倉味噌漬け弁当
【お品書き】
・ご飯
・豚肉佐倉味噌漬け焼
・炒め野菜(玉ねぎ、人参ほか)
・菜の花おひたし
・成田名産 鉄砲漬
・館山名産 玉黄金らっきょう
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元気豚佐倉味噌漬け弁当
平成21(2009)年から販売されているという、「元気豚佐倉味噌漬け弁当」。
ふたを開けると、肉厚な千葉のブランド豚・元気豚が、ドーンと視界に入ってきます。
合わせて、味噌ならではの香ばしい匂いが漂ってきて食欲をそそります。
株式会社リエイによると、元気豚は佐倉が誇る「ヤマニ味噌」を使って作られたたれに漬けこんで、オーブンで焦がさないよう、丁寧に焼き上げられているとのこと。
その1枚1枚に込められた温かい気持ちが、私たちの「元気」の源になってくれそうです。
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209系・普通列車、鹿島線・延方~鹿島神宮間
今シーズンの「水郷潮来あやめまつり」は、今度の週末・6/24(日)まで。
にぎやかな雰囲気が好きな方はお早めに、静かな雰囲気が好きな方は祭りの後で・・・。
どちらにしても、千葉駅で駅弁を仕入れるところから、千葉エリアの鉄道旅はスタート。
千葉以遠の普通列車は、概ね運転台のある車両にボックスシートが装備されているほか、日中の快速・成田空港行は、千葉の停車時間が長く、駅弁が買える列車が多めです。
まずは、千葉駅を境に“ゆっくり流れ出す時間”を楽しんでみてはいかがでしょうか?
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/