【ライター望月の駅弁膝栗毛】
常磐線・上野東京ラインの品川~高萩間を中心に活躍するE531系電車。
2階建グリーン車を2両連結した10~15両の長い編成で、日中の上野~土浦間は毎時4本程度、品川~上野、土浦~水戸・勝田間は、毎時2本程度が運行されています。
そのうち1本は、品川~土浦間を「特別快速」として運行しています。
ステンレスに青の帯を巻いた車両は、有楽町界隈でも、すっかりおなじみの顔になりました。
常磐線は首都圏有数のユニークな路線で、取手の先で電化方式が直流から交流に変わることから、交直両用タイプの電車が使われています。
かつては停車駅の数が「普通列車<快速電車<各駅停車」だったため、一般の方にとっては「快速のほうが普通より遅い」と感じる現象も・・・。
このため、同じ線路を走る普通列車と快速電車の停車駅が統一された今では、品川・東京・上野などでも、土浦・水戸方面へ向かう列車はまとめて「快速」と案内されています。
そんなこともあって、常磐線の普通列車は「中距離電車(中電)」とも案内されます。
上野・品川に直通するE531系電車は、ボックスシートのある車両はもちろん、グリーン車が連結されていますので、駅弁旅派にも有難い車両です。
そんな常磐線の旅のお供にふさわしいのが、水戸駅弁「しまだフーズ」が去年(2017年)から製造している「大洗名物 釜揚げしらす弁当」(1,050円)です。
【お品書き】
・しらすご飯
・アンコウから揚げ
・のりとワカメの佃煮
・煮物(里芋、コンニャク、花人参、椎茸、スナップエンドウ)
・明太子
・梅干し
・さくら漬け
スリープ式の包装を外すと、ご飯の上には一面の釜揚げしらすが載っています。
大きめのしらすに、海苔、わかめの佃煮、明太子と、ご飯のお供の最強カルテットが集結!
さらに肉厚の梅干しをどのタイミングでいただこうか、本当に悩ましいところです。
駅弁膝栗毛で「取材」した際、島田社長が作りたいと話されていた「あんこう」も唐揚げという形で、見事“冷めても美味しい”おかずに仕上げています。
常磐線の車窓で海が見えてくるのは、勝田より先、日立駅周辺から。
勝田以北はグリーン車付の列車が少なくなりますが、朝夕以外大きな混雑も少なめ。
かつて、上野~土浦間を中心に活躍したE501系電車も、まだまだ健在です。
東京方面へのんびりゆったりグリーン車の旅もよし、いわき方面へ青い海を眺めに行くもよし、常磐線の普通列車で“新たな発見”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/