日本初の「ベランダ」はポルトガル商人のために作られた
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『ベランダ』と『バルコニー』はどちらも2階以上の建物の外側に張り出していて、とてもよく似ていますが、一番の違いは“屋根があるのが『ベランダ』”で“屋根が無いのが『バルコニー』”です。
『ベランダ』は16世紀の頃、ヨーロッパからインドに渡った人達がその暑さを少しでも和らげようと考え出したもので、やがてそのスタイルがヨーロッパ本土にも伝わったそうです。『ベランダ』が日本に伝わったのは、16世紀後半の安土桃山時代だと言われています。
当時、ポルトガルとの貿易のために、長崎に人工島の『出島』が造られました。その時、ポルトガルの商人のための建物に『ベランダ』が作られたといわれています。
その後、江戸時代になってオランダとの貿易が『出島』で認められた際に、オランダの会社の支店である『オランダ商館』が建てられました。この『オランダ商館』の最高責任者は『カピタン』と呼ばれていて、『カピタン』が事務所や住まいとして使っていた大きな建物『カピタン部屋』にも『ベランダ』があって、現在も残されています。
『出島』にあります『和蘭商館跡(おらんだしょうかんあと)』でご覧になることが出来ます。
そして『バルコニー』ですが、この言葉はギリシャ語で“敵を飛び道具で狙うための防御用の場所”という意味の『バレオー』が語源といわれています。
その後、16世紀後半にフランスで床まで開く長い窓が流行した際、その外側に安全のため手すりを設けたことから発達しました。また“劇場の2階以上の席”のことも『バルコニー』と呼ばれるようになりました。
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