【ライター望月の駅弁膝栗毛】
雄大な富士山をバックに新宿へ向かう小田急60000形電車(MSE)。
御殿場線~小田急線直通の特急ロマンスカーの愛称は、2018年春のダイヤ改正で、「あさぎり」から「ふじさん」に改められました。
改名には、日本を訪れる外国人観光客にも分かりやすく、「富士山方面へ向かう列車」であることを打ち出し、より列車を知ってもらいたいといった背景があるようです。
(参考)小田急電鉄ニュースリリース(2017年12月15日発表分)
新宿からの特急「ふじさん」号は、御殿場止まり。
御殿場線の富士山をもっと満喫したければ、御殿場から沼津方面行の普通列車に乗り換えると、さらに富士山を間近で眺めることができます。
特に御殿場線からの富士山は南東斜面に当たるため、山の上のほうに降った雪が風で吹き飛ばされて、山裾まで真白く雪化粧した様子を楽しめるのが特徴です。
そんな御殿場線沿線にある静岡県長泉町(ながいずみちょう)の食材にスポットを当てた駅弁「長泉旬だより 冬うらら」(1,000円)が、この冬も登場しています。
長泉町、JAなんすん、長泉産直市の協力で、沼津駅弁「桃中軒」が製造。
東海道新幹線・三島駅、東海道本線・沼津駅の売店などで、12月1日から来年2月28日までの予定で販売されています。
【お品書き】
・長泉産白ネギと焼鳥の山椒御飯
・お茶の葉の佃煮・白ネギと鮪の玉子焼き
・鰆のわさび味噌焼き
・ブロッコリー・花人参
・勝利の玉子「あしたかつ」(長泉あしたかつ料理コンテスト優秀作品)
・煮物(高野豆腐/大根/昆布)
・海老の酒塩
・野菜の寒天よせ(人参、キャベツ、大和芋、さつま芋)
・蓮根のもちもち揚げ
桃中軒によると、去年に続いて「食べて体を温めること」「いろいろな食感」にこだわったと言う「長泉旬だより 冬うらら」。
特に面白い食感が楽しめるのは、長泉産白ネギと焼鳥の山椒御飯。
沼津と三島の間にある長泉町の特産・旬の長ねぎを使い、ご飯に混ぜ込んだ山椒などと組みわせることで、「食べて温める」駅弁を実現しています。
食材の工夫で“冬ならではの”、季節感あふれる駅弁になっているという訳ですね。
さあ、こういった「桃中軒」の地域密着型・季節駅弁。
いったい、どのように作られているのでしょうか?
次回の「駅弁膝栗毛」では、その“駅弁開発”現場に密着!
沼津のまちで、駅弁の開発に協力している皆さんに迫ります。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/