名古屋駅「ひつまぶし弁当」(1,600円) ~じつは“活きた”鉄道ミュージアム! 武豊線

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

313系電車・普通列車、武豊線・緒川~石浜間

愛知県の東海道本線・大府(おおぶ)駅と武豊(たけとよ)駅の間を結ぶ「武豊線」。
平成28(2016)年に開業130周年を迎えた歴史ある路線です。
鉄道好きならご存知、武豊線は東海道本線の建設資材を運ぶために作られました。
建設当時の武豊は海が穏やかで水深もあったことに加えて、土木工事の職人さんがたくさんいたことが、武豊まで線路を敷く決め手になったと云われています。

(参考)武豊町ホームページ

亀崎駅舎

明治19(1886)年、武豊、半田、亀崎、緒川、大高、熱田の全6駅で開業した武豊線。
開業当時の列車は、1日わずか2往復の客貨混合列車で、武豊~熱田間を1時間45分かけて走ったと言います。
この開業時にできた半田市の亀崎駅には、明治時代に建てられたとされる国内有数の古い木造駅舎が健在で、いまも現役で使われています。(国内最古説もあり)

半田駅の跨線橋

武豊線における、もう1つの見どころが半田駅の跨線橋。
こちらも駅ができたのは、武豊線の開業と同じく明治19(1886)年のこと。
明治43(1910)年11月に設置され、ずっと同じ場所で使われているJR最古の跨線橋で、レンガ造りの油倉庫も一緒に作られたと言います。
こちらの倉庫では、夜間、信号機の火に使う灯油が保管されていたということです。

(参考)半田市ホームページ

ひつまぶし弁当

明治時代、武豊線が通った熱田(現・東海道本線)は、熱田神宮の門前町、旧東海道の宮宿が置かれていた宿場町、七里の渡しの港町として発展した街。
そして、ひつまぶし料理ゆかりの街でもあります。
名古屋で有名店に行く時間は無いけれど、ひつまぶし料理を楽しみたいという方には、「松浦商店」が製造する名古屋駅弁、「ひつまぶし弁当」(1,600円)が重宝します。

ひつまぶし弁当

【おしながき】
・ひつまぶし風ご飯(鰻のたれ炊き込みご飯、国産うなぎの蒲焼き、錦糸玉子)
・守口漬
・お茶漬けのだし
・わさび
・刻み海苔
・山椒

ひつまぶし弁当

何と言っても、いまのご時世でありながら、『愛知県三河一色産うなぎを使用』と謳って、1,000円台に抑えているのが見事!
松浦商店によると、国産うなぎの安定した確保にはご苦労も多いそうですが、地元・愛知にうなぎの産地があるお陰で、なんとかこの価格で提供できるのだそう。
中蓋には食べ方がイラスト入りで記されており、「まずはそのまま」⇒「次は薬味をかけて」⇒「最後はだしをかけて」と、初心者でも気軽に本格派のひつまぶし料理が楽しめます。
名古屋での仕事が上手く行ったら、ご褒美にちょっと奮発していただきたい駅弁です。

313系電車・普通列車、武豊線・乙川~半田間

以来、長年にわたって非電化路線だった「武豊線」ですが、平成27(2015)年に電化され、313系電車などの「電車」が走るようになりました。
いまも、朝夕の「区間快速」を中心に、名古屋方面との直通運転が行われています。
大都市の近郊路線でありながら、明治の鉄道遺産がたくさん残っている「武豊線」。
じつは気軽に乗れる、“活きた鉄道ミュージアム”のような存在でもあるのです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


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