【ライター望月の駅弁膝栗毛】
冬本番直前の北海道をサラッと鉄道旅。
鉄道だとフラッと乗って、そこそこ速く、サクッと北海道に行けちゃうのですよね。
北海道新幹線から、新函館北斗で待ち受けるのは、特急「スーパー北斗」。
振り子式のキハ281系気動車は、噴火湾をイメージしたブルーの車体が特徴です。
最高時速120km、カーブでは車体を傾け、函館~札幌間を約3時間40分で結びます。
パープルのラインが印象的なのは、キハ261系気動車。
函館~札幌間の特急列車は、2018年春のダイヤ改正でわずかに残っていたキハ183系気動車の列車が、キハ261系に置き換えられ、全列車が「スーパー北斗」となりました。
「スーパー北斗」は噴火湾沿いを走る区間あり、駒ヶ岳や有珠山を眺めて走る区間あり、天候に恵まれれば、飽きることのない景色が続く列車です。
10年前の平成20(2008)年、主要国首脳会議(サミット)が行われた洞爺湖の玄関口となる洞爺駅は、「スーパー北斗」の停車駅であり、駅弁販売駅でもあります。
「洞爺駅構内立売商会」の売店は改札外・待合スペースにあり、昼前後に営業中。
店頭に並ぶ時間帯もありますが、電話予約(0142-76-2221)をしたほうが確実です。
もしも、乗る列車まで時間があれば、電話1本で作って駅へ持って来てくれるそう。
定番の「かにめし」「鮭めし」なら、10分程度見込んでいただけたらとのことでした。
予約した時間に合わせてお店に伺うと、手渡された折はまだできたてということもあって、しっかりとぬくもりが感じられました。
この日、いただいたのは、半世紀近い歴史があるという「鮭めし」(1,000円)。
北海道と鮭の絵が描かれた、昔ながらの掛け紙が何とも言えません。
最近はスリープ式の駅弁が多いので、紐がかかった駅弁は本当に有難みを感じます。
【おしながき】
・ご飯
・鮭フレーク
・いくら醤油漬
・海苔
・錦糸玉子
・グリンピース
・桜漬け
・茎わかめ
・白花豆
心を打ったのが、いくらの上の刻み海苔。
刻まれた海苔を1本1本クロスさせて、手作業でいくらの上に置いていました。
大きな駅の駅弁にはまずない、この家族的な手作り感が嬉しい!
実際、「洞爺駅構内立売商会」は、ご家族で経営されている駅弁屋さん。
「スーパー北斗」で真冬の凍てつく北海道の車窓を眺めていただけば、この“人の温もり”がより一層、温かく感じられることでしょう。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/