【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東京駅の地下ホームで総武線の快速列車を待っていると、時々やって来るのが「君津」行。
千葉(蘇我)から内房線(うちぼう・せん)に直通して、市原・袖ヶ浦・木更津・君津といった、東京湾岸の各都市と県庁所在地・千葉、東京都心を直結している内房線の大事な足です。
横須賀線直通の列車も多く、最大15両編成で、東京湾岸をぐるりと弧を描くように久里浜~君津間をおよそ3時間かけて走破する列車もあります。
そんな東京湾岸の春から初夏にかけての風物詩といえば、「潮干狩り」。
船橋、千葉、袖ヶ浦、木更津、富津など、東京湾岸の海辺は、例年6月~7月初めごろまで、「潮干狩り」を楽しむ人たちでにぎわいます。
この時期、初夏の潮風を感じながらいただきたい千葉駅弁といえば、今年3月に復活した「マンヨーケン」の「潮干狩り弁当」(980円)です。
【お品書き】
・茶飯(煮あさり、煮蛤、刻み海苔)
・蓮根はさみ揚げ
・いわしつみれ団子
・いか味噌焼き
・ひじき煮
・煮物(高野豆腐、筍、ふき、人参)
・しば漬け
紐をほどいて掛け紙を外すと、フワッと漂う磯の香り。
海苔が刻まれた茶飯の上には、生姜風味の煮あさり、昔ながらの甘辛の味が楽しめる煮はまぐりが載って、2つの貝の味が楽しめます。
いわしのつみれ団子、いかの味噌焼き、ひじきの煮物をはじめ、おかずもたっぷり入って、千葉の海の幸の豊かさを感じさせてくれる駅弁です。
内房線・君津発着の快速列車は、君津で館山方面の列車と接続しています。
週末に使える「休日おでかけパス」は君津までが利用エリアですが、およそ500円追加して、浜金谷まで行き、「東京湾フェリー」(大人720円)に乗り継ぐのも一手。
三浦半島の久里浜からは、再び休日おでかけパスのエリアとなります。
東京湾岸で、駅弁と共にのんびりローカル線旅と船旅を満喫する休日も楽しいことでしょう。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/